76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:26:11.93 ID:sFFUNv8Z0
「そうか―――ありがとう、辛い思いをさせたな」
すまない、と言いながら、プロデューサーは雪歩に頭を下げた。
雪歩は、俯きながら首を振った。
「本気――なんだろうな、きっと」
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2013/03/23(土) 23:28:01.63 ID:sFFUNv8Z0
「千早。言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ」
少し語気を強めて、伊織が千早の本音を引き出そうとした。
おそらく、千早が次に何を言いたかったのかを彼女は確信している。
その雰囲気を感じ取った千早が、伊織に対し不快感を露にした。
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:29:58.40 ID:sFFUNv8Z0
「ちょ、ちょっと皆落ち着いて!
プロデューサーさん、律子さん、皆を止めて下さい!」
見る見るうちに殺気立った事務所内の空気に恐怖し、小鳥が二人に助けを求めた。
「お、おい、止めろって――」
79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:31:56.58 ID:sFFUNv8Z0
「お、おい律子――?」
律子は、静かに亜美達の方へと歩み寄った。
彼女の様子に異変を感じ取ったプロデューサーが咄嗟に声をかけたが、立ち止まらなかった。
「り、律っちゃん――」
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:34:02.11 ID:sFFUNv8Z0
「キミ達、その辺で止めてもらえないだろうか」
小鳥が、ようやく高木を連れて戻ってきた。
「美希君の事は確かに残念であるし、我々大人達が美希君を特別扱いすることでキミ達を苦しめてしまったことは事実だ。
本当に、すまなかったと思っている」
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:36:00.85 ID:sFFUNv8Z0
その夜、雪歩は荒川沿いを一心不乱に走った。
普段は父に夜間からの外出を禁じられているため、ランニングも毎朝にしか認められていない。
だが、今日ばかりはどうしても耐え切れなかった。
世話役の男にお願いし、こっそり裏口から家を出て、いつものランニングコースに向かった。
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:36:56.33 ID:sFFUNv8Z0
ひとしきり泣いた後、雪歩は起き上がった。
愛用の白いTシャツが、芝の泥で汚れてしまっている。
このままでは、両親に無断で外出してしまったことがバレてしまう。
このシャツは、自分でこっそり洗濯することにしよう。
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:38:14.24 ID:sFFUNv8Z0
「貴音と、ケンカしちゃったんだ」
何があったのかを雪歩が聞くと、響は少しバツの悪そうに答えた。
「ケンカ、って言っても、自分が一方的に貴音にひどい事言っちゃっただけなんだけどさ」
あはは、と響は力無く笑った。
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:39:37.67 ID:sFFUNv8Z0
「961プロの採用オーディションの日ね――」
やがて、落ち着いた響が顔を上げて、再度語りだした。
「貴音、自分のことを助けてくれて――自分のことっていうと、ちょっとアレだけど」
ははは、と響はおかしそうに笑った。
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:41:08.49 ID:sFFUNv8Z0
「いやー、貴音には参ったさー。
自分を助けようとして、ズボンを思いっきり引っ張って脱がしちゃうし」
えぇー、と雪歩が驚きながら顔を赤らめた。
「それだけじゃないんだぞ。
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