過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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80
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◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:03:46.63 ID:SfF/g84n0
「……アンタはどうなのよ」
美琴が小さく言った。
これが一番聞きたかったこと。
絶対に、力づくでも吐き出させてやると思っていたこと。
以下略
81
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:06:02.42 ID:SfF/g84n0
その言葉が、やけに一方通行の胸に響いた。
打ち止めとは一方通行にとって何なのか。一方通行は、そんなこととっくの昔から分かってる。
ただそれを美琴に言う勇気がないだけだ。
足りないのは勇気。今の一方通行はただ怯えているだけだった。
学園都市第一位が、恐怖に負けることなどあっていいわけがない。
以下略
82
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:07:19.47 ID:SfF/g84n0
一方通行は、まるで懺悔するように項垂れて話す。
今までただの一度も、一方通行がこんな正直に自らの気持ちを話したことはない。
美琴はやはり何も言わない。一切腰を折らず、一方通行が全てを話すのを待っていた。
「挫けそォになったことも何度もあった。『闇』の奥の奥にまで堕ちて行きそォになったこともあった。
以下略
83
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:11:30.04 ID:SfF/g84n0
「……そう。それがアンタの本心なのね」
「あァ。ずっと前からこォ思ってた。そりゃ最初は俺なンかが打ち止めと一緒にいる資格なンて、と思った。
けど悪党が善人と一緒にいちゃいけねェのか、悪党が善人を守っちゃいけねェ決まりでもあるのか。
たとえあったとしても、今まで全てをブチ壊してきた俺がそんなルールだけを律儀に守る必要があるのか、ってな。
以下略
84
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:12:48.77 ID:SfF/g84n0
「ねぇ。最後に、一つだけ確認させて」
「あァ」
「打ち止めが言ってたんだけど。『実験』中、本当は殺したくなかったって、本当?」
以下略
85
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:17:24.21 ID:SfF/g84n0
一方通行は言った。
しっかりと美琴の目を見て、力強く。
自分のしたことに言い訳はしないと、一切の淀みなくそう言い切った。
それを聞いた美琴は、握り締めた拳から力を抜いて、ふぅ、と大きく息を吐く。
以下略
86
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:19:55.47 ID:SfF/g84n0
「……オマエは、自分がナニ言ってっか分かってンのか。
本当にそれでいいのかよ」
呆然と呟く一方通行に、美琴は僅かに、だが確かな笑みを浮かべて答えた。
以下略
87
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:21:24.67 ID:SfF/g84n0
「けど違った。アンタはちゃんと自分の気持ちと向き合って、全て理解した上であの子と一緒にいることを望んだ。
アンタの、『悪党が善人と一緒にいちゃいけない、守っちゃいけない決まりでもあるのか』って言葉には正直ちょっと痺れたわ。
その通りだと思う。昔のアンタならともかく、今のアンタになら、安心して打ち止めを任せられる。そう思えたのよ」
一方通行が口八丁に誤魔化そうとしても、きっと美琴はすぐにそれを見抜いただろう。
以下略
88
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:22:52.44 ID:SfF/g84n0
一方通行は立ち上がり、力強く頷いた。
今日この時、ついにこの決して相容れない両者の間に和解が成り立った。
いや、和解というといくらか語弊があるが、それでも。
御坂美琴が一方通行を殺してしまうことはなかったし、一方通行が自ら命を投げ出すこともなかった。
打ち止めの望んだ未来に近いものが実現したのだ。
以下略
89
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:24:51.49 ID:SfF/g84n0
一方通行だけではない。御坂美琴もまた自らの罪を償い続ける。
永遠に、一生。決して投げ出すことなく。
許されなくてもいい。許されるなんて思ってないし、求めてもいない。
それだけのことをしてしまったのだから。
一方通行と同じく、ただの自己満足としての償いなのだから。
以下略
90
:
◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/04/14(日) 00:27:06.51 ID:SfF/g84n0
やはり即答だった。
答えに躊躇いはなく、一方通行の覚悟が分かる。
そもそも、打ち止めが天真爛漫な笑顔で一方通行の話をしていた時点で、分かっていたことかもしれない。
もし一方通行が善性など欠片もない最悪の虐殺者だったなら、打ち止めがあんな笑顔を見せることはなかっただろうから。
御坂美琴が一方通行を信じるわけではない。そんなことは出来はしない。
以下略
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