171:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:27:08.94 ID:uAvvpyUMo
『例の男は、クダ筋なんだ』
そう、村長さんは言いました。
管狐という妖怪のようなものが取り憑いた家系をそう呼ぶことは、ひいおばあさんも知っていました。
172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:28:48.15 ID:uAvvpyUMo
あまりに普通に受け止めていたこと故に、そのことに疑問すら覚えない。
そういうもののようです。
ある意味、村全体が、女の子を死に追いやったと言えるでしょう。
173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:29:58.16 ID:uAvvpyUMo
『クダ筋の裔として、出来る限りの呪いをかけるため、自らを生贄としたんだろう』
そんな莫迦なことがあるわけがないと言うひいおばあさんに、村長は言いました。
『遺体は山に入ってたった一日で、体中にトンネルのような穴が空くほど獣に食い荒らされていたそうだ。
174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:32:12.50 ID:uAvvpyUMo
村はそれから十年ほどで消えてしまいました。
住人たちが次々と転居していったからです。
175:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:33:02.81 ID:uAvvpyUMo
『ある日、門柱やら玄関に、オコジョの尻尾のようなものが打ち付けられる。
まるで生きた獣から引き抜いたかのように血がべっとりとついた尻尾が、小刀で深々と打ち付けられてるんだ。
そうして……しばらくすると、その家の人間は、皆死んでしまうんだよ』
事故死や病死……。
176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:34:01.68 ID:uAvvpyUMo
ひいおばあさんは、その父親のことを、こう言っていたそうです。
『あの人は、きっと悔しくはなかっただろう。
悔しいというのは、ああ出来たのではないか、こうなったのではないかと思う気持ちから出てくるものだ。
177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:34:38.52 ID:uAvvpyUMo
茄子「……なんと、言っていいものやら……」
ほたる「……うぐっ、ひくっ……」
小梅「な、泣かないで……」
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:35:46.55 ID:uAvvpyUMo
茄子「……ふぅ。あまりのお話にいろいろと衝撃を受けてしまいましたね。ほたるちゃん、大丈夫?」
ほたる「あ、はい。すいません。お聞き苦しい声を……」
茄子「いえいえ。とはいえ、ずっと引きずってもしかたありません。切り替えていきましょう! そう、ここで重大発表です!」
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:36:22.24 ID:uAvvpyUMo
そんなわけで、今回で、第一シーズン終了です。
最後は陰惨な話になってしまいましたね。
この板的にはゆっくり百話やってもいいのでしょうが、個人的に区切りがないとつらいので、八シーズンで百話目指して、順次やっていく形にします。
またある程度ネタがたまったら、第二シーズンのスレを立てる予定でいます。
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/10(金) 20:38:16.38 ID:ZtcE22/A0
乙です
とても悲しい話でした
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/10(金) 22:11:40.53 ID:1t6iRkwAO
乙でした
せつないぜ
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