過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:00:09.11 ID:wqPpjqSYo

「ねえ、あなたは何を欲しがってるの?」

 わたしは思わず訊ねた。何がこの人をこんなに苦しめているんだろう。
 何のために、この人はこんなにつらそうなんだろう。

 やってきた返事は、答えと呼べるものではなかった。

「お前の方こそどうなんだ」

 ツキはそう言った。

「お前は俺にどうして欲しいんだ?」

 わたしには彼の言うことが分からなかった。
 雨が窓の外で降り続いている。不意に忘れそうになるくらい、ずっと。

「……別に、何も」

 わたしはそう答えた。ツキは身じろぎひとつしなかった。ただ俯いているだけだ。
 それなのに、何の変化もなかったのに、わたしはわたしの言葉で、ツキを傷つけたのだと感じた。なぜか。




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