過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:00:09.11 ID:wqPpjqSYo

「ねえ、あなたは何を欲しがってるの?」

 わたしは思わず訊ねた。何がこの人をこんなに苦しめているんだろう。
 何のために、この人はこんなにつらそうなんだろう。
以下略



189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:00:35.30 ID:wqPpjqSYo

 しばらく、部屋の中には何の変化もなかった。雨の音だけがずっと続いている。
 気付けばわたしは、本を読むのをやめてツキの方をじっと見つめていた。
 
 やがて彼は、やはり身じろぎひとつせず、顔もこちらに向けないまま、
以下略



190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:01:02.03 ID:wqPpjqSYo

 不意に彼は、何かに気付いたように顔をあげた。
 それからわたしの顔をじっと見た。何かに驚いているような目だ。

「なに?」
以下略



191:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:02:03.62 ID:wqPpjqSYo

「……急に何?」

「前は、レコードだった」

以下略



192:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:03:08.41 ID:wqPpjqSYo



 ツキはそのようにして、この屋敷での暮らしを続けた。
 いなくなる気配もなければ、例の何かを「取り戻す」こともできてはいないようだった。
以下略



193:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:04:00.31 ID:wqPpjqSYo

「出口」

 ツキは不意にそう言った。

以下略



194:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:05:11.48 ID:wqPpjqSYo



 ツキがこの屋敷で暮らすようになってからも、わたしは毎夜同じ夢を見た。

以下略



195:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 07:05:39.97 ID:wqPpjqSYo
つづく


196:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/29(水) 21:33:13.73 ID:/ba8P3cAO
乙。
全体が見えてこないと中々不気味だ。
外界には二人と同じ人間はいないのか。


197:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/29(水) 23:12:17.73 ID:4iSIu9Kro



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