過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:42:11.43 ID:10ecUgk1o

「生き続けて苦しむより、何もかも終わりにしてしまった方が楽だったってことですか?」

「……うん。そういうことになるんだと、思う」

以下略



280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:42:51.15 ID:10ecUgk1o

「そんな言い方をするということは、あなたは既に思い出しているはずです。
 自分が誰によって苦しめられていたのか。そのことをちゃんと理解しているはずです」

「……そんなの」
以下略



281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:44:10.38 ID:10ecUgk1o

「あなたにとって、家は安らげる空間ではありませんでした。
 学校に行くことだって、家から離れられる安堵を除けば、楽しいことでもなかったでしょう。
 苦しいばかりだったでしょうね。唯一の友だちだったツキと、その家族。それからシラユキという子猫。
 もし苦しみではないところがあるとしたら、そうした人々との交流くらいでしょう」
以下略



282:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:45:25.19 ID:10ecUgk1o

「そうして、あなたは死にました」とシラユキは言った。

 他人事のようなニュアンス。そのことが、むしろ事実を際立たせていた。
 
以下略



283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:46:21.18 ID:10ecUgk1o

 父親はいつも仕事で帰りが遅かったし、義母は父の前では良き妻を演じていた。
 ……いや、良き妻だったのだろう。きっと良き母にもなれたはずだ。
 でも彼女はそれを拒んだのだと思う。きっと、そうだと思う。

以下略



284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:47:00.49 ID:10ecUgk1o

「ひとつだけ、聞いておきたいことがあります」

 シラユキは真剣な瞳でわたしを見つめた。 
 鳶色の、まんまるの瞳。あの猫ではない、と彼女は言った。でも、よく似ている。
以下略



285:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:47:50.93 ID:10ecUgk1o

「では、まだ生きて帰る術があると聞いても、あなたは嫌がるだけなのでしょうね」

 その言葉に、彼女の言う通り、嫌な気持ちになる。
 選択の余地がないこと、選択が終わったあとだからこそ、解放されたと言えるのだ。
以下略



286:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:48:17.79 ID:10ecUgk1o
つづく


287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/04(火) 17:20:02.31 ID:W62/vLQLo



288:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/04(火) 22:52:14.16 ID:UKZVlNWAO
明日が楽しみだ。


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