285:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:47:50.93 ID:10ecUgk1o
「では、まだ生きて帰る術があると聞いても、あなたは嫌がるだけなのでしょうね」
その言葉に、彼女の言う通り、嫌な気持ちになる。
選択の余地がないこと、選択が終わったあとだからこそ、解放されたと言えるのだ。
286:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:48:17.79 ID:10ecUgk1o
つづく
287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/04(火) 17:20:02.31 ID:W62/vLQLo
乙
288:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/04(火) 22:52:14.16 ID:UKZVlNWAO
明日が楽しみだ。
289:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/05(水) 05:34:30.97 ID:YX4Y62yro
◇
風が吹いた気がした。冷たく湿った風だ。少しだけ雨を揺さぶって、すぐに消えた。
生き物の気配のしない森の中に、わたしたちは立ち尽くしている。
290:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/05(水) 05:35:04.05 ID:YX4Y62yro
「つまり、全部が全部、わたしの自作自演ってこと?」
そう思うと、なんだかこんな会話すら無意味だという気がしてきた。
人形遊びのようなものだ。自分の頭の中での会話。
291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/05(水) 05:36:11.30 ID:YX4Y62yro
彼女なりに、噛み砕いて説明したつもりなのかもしれないけれど、わたしにはさっぱり分からなかった。
シラユキは少し黙った。それから気を取り直すように深呼吸をする。
長い睫毛が、かすかに揺れた。
292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/05(水) 05:36:51.74 ID:YX4Y62yro
でも、少し考えてどうでもいいやと思った。
だってここは結局、わたしにとっての現実ではないのだ。
夢のようなものだ。
293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/05(水) 05:37:39.05 ID:YX4Y62yro
いまさらそんなことを知ったところで、何の意味があるんだろう。
「あなたは世界が生み出されたとき、既にこの世界に存在していました。
ですが、厳密には、あなたはこの世界、この街の住人ではありません。
294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/05(水) 05:38:07.59 ID:YX4Y62yro
なんだ、とわたしは思った。
じゃあもうわたしの結論は決まっているんじゃないか。
「つまり、わたしがここに居続けることを選べば、何の問題もないの?」
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