過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/05(水) 05:39:01.53 ID:YX4Y62yro

「……本当に、構わないんですか?」

 雨音は続く。わたしはシラユキの不安そうな表情がおかしくてしかたなかった。
 
「どうして駄目だって思うの?」

「……わたしはおそらく、あなた自身が作り出した存在です。シラユキという猫をモデルに。
 どういう理屈かは分かりませんが、わたしの中には、あなたやツキと過ごした記憶があります」

「本当に、猫のシラユキとは違うの?」

「シラユキは死にました。死んだものはどのような形であれ、生き返ることができません」

 そうだろうなとわたしは思った。でも、どうなのだろう。
 理屈はどうあれ、彼女は――猫のシラユキなんじゃないか。
 いつだったか、ツキが「あの"シラユキ"か」と訊ねたとき、彼女は頷いてはいなかったか。
 
 ひょっとしたら単純に、そう言っておいた方が、話が早かっただけなのかもしれないが。
  



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