395:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:02:26.13 ID:CqJ5WJUIo
ということは、この部屋の主は、わたしがここにいたとき、他の空間にいたことになる。
他の空間。
わたしは書斎からこの部屋まで歩いてきた。
396:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:03:50.78 ID:CqJ5WJUIo
その人がわたしの目を盗み、この部屋にやってきて、再びいなくなるのは簡単だったろう。
森は四方に開けているから、隠れるのは困難ではない。
書庫は本棚がたくさんあるから、身を隠すのは簡単だ。
397:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:04:43.85 ID:CqJ5WJUIo
怖気に、体が震えた。
わたしは静かに息を吐き出して、ゆっくりと吸い込んだ。
落ち着け、と自分に言い聞かせる。
398:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:05:49.87 ID:CqJ5WJUIo
「あなた、誰?」
「見れば分かるよ」
399:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:06:24.87 ID:CqJ5WJUIo
「逃げるんだ?」
と声は言った。聞き覚えのある声。
400:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:09:08.66 ID:CqJ5WJUIo
「落ち着いて、話をしてみない?」
返事をしたらいけない。そう思った。
でも、腕を掴まれてしまった。目を瞑りながら、振り払って逃げ切るのも現実的じゃない。
401:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:10:05.11 ID:CqJ5WJUIo
「お願いがあるんだけど」
「なに?」
402:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:12:19.49 ID:CqJ5WJUIo
「さて、それじゃ、話をしようか」
「話すことなんてない」
403:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:12:49.58 ID:CqJ5WJUIo
つづく
404:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/11(火) 09:15:34.28 ID:5AAKmO9AO
乙…
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