532:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:06:44.33 ID:WU9ARoQ2o
「大丈夫?」
訊ねてから、心底自分が嫌になった。
大丈夫なわけがないのだ。
533:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:08:11.99 ID:WU9ARoQ2o
わたしは、ツキがこんな場所までやってくるとは思っていなかった。
シラユキが死んだときだって、彼は確かに悲しんでいたけれど、ちゃんと起こったことを受け入れていた。
だからわたしが死んだところで、最初は少し悲しかったとしても、少し怒ったとしても、すぐに慣れてしまうだろうと思った。
534:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:08:42.17 ID:WU9ARoQ2o
「嘘だよ、そんなの」
混乱した頭のまま、わたしは言った。
535:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:10:36.33 ID:WU9ARoQ2o
わたしはまた泣き出したい気持ちになる。
「……どうしてそんなに、平然としてるの?」
536:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:11:28.72 ID:WU9ARoQ2o
覚束ない足取りで、ツキは猫を追い続ける。
わたしは腕を引かれたまま、どうすることもできない。
ひょっとしたら、このツキも、わたしに都合のいい妄想のようなものなのかもしれない。
537:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:13:26.59 ID:WU9ARoQ2o
やがて、前を猫は立ち止まった。
代わり映えのしない森の中。さっきまで歩いてきた景色と、何も変わらない。そんな場所だ。
538:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:13:54.31 ID:WU9ARoQ2o
つづく
539:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/20(木) 12:46:13.23 ID:Fw+d8zG8O
シラユキは何を考えているんだ……?
540:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/20(木) 23:31:21.69 ID:NR+ZotJAO
乙、冥土
541:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:36:26.17 ID:gFrmtBDeo
◇
木の根本に腰を下ろしたツキに近づいて、シラユキは自らの傘を差し出した。
そして鞄の中から大きめの乾いた布を取り出し、ツキに渡す。
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。