過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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182: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:52:03.02 ID:+j7WNh9Vo
淫魔「……ごめんなさい。騎士さんに、こんな事……させちゃいまして」

騎士「気に病むな。この程度、何の事も無い」

病床に臥せったままの彼女へ夕食を運び、共に自身も食事を摂る。
以下略



183: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:52:38.69 ID:+j7WNh9Vo
淫魔「楽しかったですよ〜。色々連れて行ってくれましたし。騎士さん面白いじゃないですかぁ」

騎士「…………?」

淫魔「覚えてます? 初めてお船に乗った時、酔って大変でしたよね〜、騎士さんってば」
以下略



184: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:53:37.94 ID:+j7WNh9Vo
一週間後の夜、騎士は、眠っている淫魔の部屋に忍び入った。
灯りは提げていない。
部屋着の上にゆったりとしたガウンを羽織っただけの姿で、彼女へ近づく。

淫魔「……騎士さん? どうしたん……です、か?」
以下略



185: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:54:36.23 ID:+j7WNh9Vo
彼女の身体を覆い隠していた毛布を取り去る。
一枚の薄衣の中で、彼女の体からは温もりが消えかけていた。

淫魔「覚えて、ます?」

以下略



186: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:55:15.20 ID:+j7WNh9Vo
数日が過ぎて、人々がその家にやってきた。
姿を見せない二人を怪訝に思い、貸主と役人が、ノックをしてから入った。
暖炉には焼け残った薪が入ったままだが、不思議な程、片付いていた。
戸棚に収められた食器には埃一つない。

以下略



187: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:56:12.51 ID:+j7WNh9Vo
それから、千と数百年の時が経ち、魔界の一角、『淫魔』達の住まう国の最も栄えた街。

一軒の書店がある。
店内には、いくつもの『物語』を記した本があり、彼女らの王の城、その書庫にさえ引けを取らない。
入り口に面したカウンターに、一人の『淫魔』が坐して、広げた本に目を落としている。
以下略



188: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:57:23.15 ID:+j7WNh9Vo
書店主「ふわぁ〜……眠いわ。とても眠い……あぁ、いい天気ねぇ」

???「……外、雨だけど? お母さん。そういえば、昨日……国王陛下が来たんだって?」

店内にはもう一人、年若い「淫魔」の姿があり、きびきびと書架の整理をしていた。
以下略



189: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:58:28.42 ID:+j7WNh9Vo
短編、投下終了です
感想などいただけると幸いです

それでは、おやすみなさいー


190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/02(日) 00:01:08.04 ID:9wKUZ7Nxo
ハッピーエンドが好き


191:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/02(日) 00:07:44.87 ID:FW7PG6PPo
>>1乙!
とっても素敵なお話だった


192:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/02(日) 01:13:26.13 ID:e4i+m2/n0


切なくも暖かいお話でしたね



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