過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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55: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/24(金) 00:29:15.16 ID:zNvxktpKo
もはや、時間は無かった。
背後を見ればほぼ瓦礫に埋まり、行きて戻りし魔城の回廊は存在しない。
最後の勇者の『作戦』を反故にはできなかった。

魔法使いが杖を一振りすると、赤く輝く光の扉が、目の前に開いた。
以下略



56: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/24(金) 00:29:46.08 ID:zNvxktpKo
彼女の体の、どこからこんな力が生まれるのか。
僧侶が必死に踏ん張りを効かせても、ずるずると寄り切られる。
魔法使いは瓦礫の山となった回廊を、聞かん坊のように戻ろうとしていた。

僧侶「もう、戻れません! もう――――」
以下略



57: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/24(金) 00:30:37.89 ID:zNvxktpKo
*

虫の声で目が覚めた時、最初に見えたのは、厚手の暗緑の布だった。
眼球を動かしてみれば、視界の全てがそれに覆われていて、少し思索を巡らせれば思い当たった。
ここは、『旅』で使っていたテントの中だ。
以下略



58: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/24(金) 00:31:06.99 ID:zNvxktpKo
僧侶からの答えは、無い。
代わりに彼女の視線は揺れて、焚き火を、見つめるでもなく見た。

魔法使い「……あ、っそ。…………やれやれ、参るわ」

以下略



59: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/24(金) 00:31:36.20 ID:zNvxktpKo
魔法使い「『まほー』なんて使えたってさ。結局こんなもんなのよ。……ねぇ、教えてくれる?」

僧侶「はい、何でしょうか?」

魔法使い「……『神さま』を持ってるって、どういう感じなの?」
以下略



60: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/24(金) 00:32:42.85 ID:zNvxktpKo
地面に直に座り、帽子を深くかぶり直す。
夜露で湿った草が尻を湿らせ、不快だった。
しかしそのまま、膝を抱え込むような姿勢で火を見つめた。

朝が来れば、転移の呪文で最寄りの村へ飛ぶ。
以下略



61: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/24(金) 00:33:29.75 ID:zNvxktpKo
白んだ空を仰ぐと、少しずつ、星の光が減っていた。
輝きの弱い六等星は、もう見えない。
小さな星から順に、上り始めた太陽に消されていくかのようだ。

やがて、朝日がおずおずと顔を覗かせた。
以下略



62: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/24(金) 00:37:13.46 ID:zNvxktpKo
本日投下終了です
それでは、また明日
淫魔の国メンバーは出ないですが、どうぞよろしく


63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 00:39:05.91 ID:Hv1mCArDO
エピローグかくぅwwな後書きに出てくるって期待してる!


64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 00:39:59.88 ID:qWKgxCZQo
>>62
乙。
事象の描写、特に食事の描写の美しさに魅入られながら読んでします。
エロはなくとも至高ですね。


65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 07:49:42.81 ID:HvvV2uUuo
魔法使いが淫魔の国に迷い込むと聞いて


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