1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 12:59:36.41 ID:dD0x2lcA0
モバマスSSです。
かごめかごめ。かごの中の鳥はいついつでやる?
「かごの中の鳥…」
その歌を聴いた時、言いようのない感覚に襲われた。
籠の中に入れられた鳥。
私と同じ。
どこまで頑張っても自分の力ではどうにも出来ない。
そして、それを理解する度に頑張ることを止めて、ただ人の望むような愛玩動物になる。
「同じ…」
こんなところでシンパシーを感じてもしょうがないのだが感じずにいられなかった。
何かをしようと思っても、仕事が先回りをする。
不満げな顔をしていてもカメラを向けられれな反射的に笑顔に変わる。
向こうからすれば体のいい人形扱いだ。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:13:38.06 ID:xk7H4ona0
「どうやって笑うんだっけ?」
鏡の前で自分の頬をつまみながら独り言を呟く。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:16:33.20 ID:xk7H4ona0
誰かに言われれば出来るのに。
そう考えて時点でハッとして鏡を見直す。
そこには無表情の人形のような顔があった。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:20:40.46 ID:xk7H4ona0
それからしばらくして、私は、芸能人としてそれなりのキャリアを積み国民的とは言われないまでも、知ってる人は知っているレベルになっていました。
両親が思う通りに成長し、型に嵌められたような私が一人歩きして得た名声だった。
勿論、悪いことばかりではないのは事実だ。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:23:03.03 ID:xk7H4ona0
そのことは分かっていた。
だけど怖かったのだ。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:27:21.04 ID:xk7H4ona0
久々の休みに気分転換で街に繰り出していた。
趣味のドールハウスに必要な材料を買いに来ていたのだ。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:29:11.39 ID:xk7H4ona0
「いや、ですね。私こういうものなんですけど…」
若い男はそう言って名刺を差し出す。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:35:23.06 ID:xk7H4ona0
「私自身がステージに立って何かすることは出来ません。だけど、アイドルと一緒に歩いていくことは出来ます。それでは失礼しました」
そうとだけ言い残して彼は消えた。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:45:58.95 ID:xk7H4ona0
早速約束を取り付ける。
場所は何があってもいいように行きつけの喫茶店に指定した。
ここなら何が起きても店員さんが味方になってくれるので心強かった。
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