6:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:25:28.26 ID:ebCH2PLZ0
律子「え……、あれは………?」
そこには、私を除いた全ての765プロのメンバーが揃っていた。 …流石に社長はご帰宅のようだ。
プロデューサーがアイドルたちに何か説明して、小鳥さんはホワイトボードになにか書き込んでいるようだ。
……目を凝らしても、流石にここからではホワイトボードの内容までは読む事は出来ない。
7:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:26:06.06 ID:ebCH2PLZ0
…私を除いたメンバー全員で和気藹々と話している姿を見ていたら、ふと気がついた。
何故あんなにも楽しげに話しているのに、私が中に居ないんだろう。
扉を開けて、中に入って、なに私だけ仲間外れにしてるんですかって、文句を言いに行けば良いのに。
何故か、今はこの扉がとてつもなく重く、固く閉ざされているように思えた。
8:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:28:38.45 ID:ebCH2PLZ0
律子「…………帰ろう……」
このままでは、ボロボロになるどころか、心を折られてしまうかもしれない。
そう思い、窓の向こうに見える楽しそうな情景から目を逸らし、階段へと足を運ぶ。
9:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:30:04.00 ID:ebCH2PLZ0
P「本当に今、律子が見えたんだな!?」
響「間違いないさー! 自分が律子の髪形を見間違えるわけ無いぞ!!」
真「それに、今この時間にここを通るって言ったら、律子以外あり得ませんよっ!!」
10:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:32:43.67 ID:ebCH2PLZ0
あずさ「けれど、その律子さんはどこに居るのかしら…?」
千早「むっ、居たわ、律子よ! 下に居るわ!」
千早がいち早くこちらに気付き、皆に下を見るよう促す。
11:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:33:26.40 ID:ebCH2PLZ0
真「あっ、逃げた!?」
響「逃がさないぞー!!」
春香「ていうか、なんで逃げるの!?」
12:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:35:08.79 ID:ebCH2PLZ0
律子「な、なんで追いかけてくるのよぉ……!!!」
半分涙目になりつつも、諦めずに降りたことが幸いしたのか、事務所から出ることに成功した。
だがここで油断は禁物。 後ろも振り向かず前へと走り出す。
なんとかアイドル達に進行方向を見られる事無く、建物の影に隠れることが出来た。
13:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:36:48.33 ID:ebCH2PLZ0
律子「…………よし!」
また、駆け出す。 先程の数秒で息は大分整った、まだ走れる。
日々の営業で歩いているのもあるが、まだ衰えていない事に喜びを覚える。
14:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:38:47.35 ID:ebCH2PLZ0
春香「あっ……!」
千早「律子、ようやく見つけたわよ」
雪歩「はぁ…ふぅ…」
15:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:39:22.37 ID:ebCH2PLZ0
千早「春香!」
雪歩「春香ちゃん、大丈夫!?」
春香「あいててて……」
16:1[sage saga]
2013/06/23(日) 12:42:49.90 ID:ebCH2PLZ0
・ ・ ・ ・ ・
足に乳酸が溜まるのを感じ、たまらず足を止めた先に、丁度公園を見つけた。
水呑場で水分を補給し、ベンチに腰を下ろす。
大きく上下する肩を落ち着かせ、シャツの中に空気を入れ体を冷やす。
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