1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/09(火) 12:25:41.31 ID:VU2C5OGX0
彼女は家族を無くしていた。
三年前、家族は病気に侵されていた彼女を友人に預け年に一度の親戚会へと旅に出た。
それっきり、彼女の家族が帰ってくる事はなかった。
森の中には朽ち果てた洋館がある。かなり大きい洋館ではあるが、朽ち果てている。彼女は洋館の前に花を起き、手を合わせた。
彼女にとって、今が年に一度家族に会える日なのである。
この洋館は、彼女の家族が死んだと言われている洋館であった。
彼女は近況を家族に打ち明けた。返事は当然無い。ないとは分かっているがやはり、虚しい。虚しいが、少し気が晴れた。
彼女は振り返りこの洋館から出ようと決心した。対した決心ではない。ごく普通の墓参りから帰るぐらいの決心だ。
だがその日の決心は余りにも軽すぎた。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/09(火) 12:33:05.45 ID:VU2C5OGX0
森がざわめき始める。まるで話し合っているかのように。まるで彼女を返さないかのように、ざわめき始める。
「やだ...なに?」
彼女はなにか怖くなった。心霊番組を見たあとトイレになかなかいけないような感覚に近い。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/09(火) 12:33:27.23 ID:RQ1bYTtAO
期待
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/09(火) 12:40:37.28 ID:VU2C5OGX0
「ここ......は...?」
彼女は自分の目に広がる景色が信じられなかった。
立派な洋館が信じられなかった。
花が咲き誇る花畑が信じられなかった。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/09(火) 12:46:47.65 ID:VU2C5OGX0
「...う、ん...?」
彼女が瞼を開けて最初に見たものは、天井と光源であった。
彼女はその光がうっとおしく感じながらも少しづつ記憶を取り戻そうとする。
次第に彼女は喜怒哀楽が混じりそうになり、何とか押さえ込んだ。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/09(火) 12:53:14.63 ID:kYRTKiYyO
ほう
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/09(火) 13:04:58.71 ID:VU2C5OGX0
トントンと、扉を叩く音が響いた。
「入ってもいいk...ですか?」
あぁ、この仕草。この敬語をつかいたくないという態度。かつ言い直す態度。兄だ。お兄ちゃんだ。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/09(火) 13:11:38.97 ID:VU2C5OGX0
「おに...ぃ...ちゃんぅ......お兄ちゃん......だ...えへ...」
彼女は兄に抱きついた。抱きつき方は問題ではない。迷子になった時母を見つけた子供のように純粋に抱きついていたのだ。
そして堪えていた涙が堪えきれなくなったのか、抱きついたままわんわん泣き始めた。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/09(火) 22:53:58.10 ID:WGDYpRtco
早く続けろください、お願いします
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/09(火) 22:56:06.71 ID:D6pnLMSQo
はよ
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/09(火) 23:35:02.70 ID:xo6Moe7NO
こんな文体最近みたな どこだったか
続けて
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 18:40:28.62 ID:XtIC8Swk0
「お兄ちゃん...お兄ちゃ、ん......!」
兄「おいちょっとまてお兄ちゃんってどういうことだよ!?」
女「............」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 19:06:17.27 ID:XtIC8Swk0
彼女は泣き止んだ。兄の知人と思われる女に全てを明かしたのだ。無論最初は泣きながら、しゃっくりしながら聞き取り辛い声で話していたが女の真剣に聞いてくれる態度に安心して少しづつ泣き止みながら話を続けていた。
今の状況は彼女に理解できる状況ではない。彼女は混乱の中から兄が生きているという喜びを見つけたのだ。だから、今の状況を話せば普通の人なら鼻で笑い馬鹿にして相手にしてはくれないだろう。だが女は真摯に今の状況を考えてくれた。その態度に彼女は感動してしまい、色々な話をした。学校の事、兄の事、家族の事、朽ちた洋館の事......。
彼女が話題を出せば話題を返すように女は自分の周りの事を話してくれた。徐々に徐々に、かつ速く二人は仲良くなっていったのだ。
この短時間で2人は友と呼べるまでに発展した。これも女の許容能力あってこそである。何処かの変態とは大違いではなかろうか。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 19:18:10.35 ID:XtIC8Swk0
扉が開く音がした。今宵の客人を招いた部屋に男は入り、女に彼女の様子を聞いた。彼女は小さな寝息をたてて眠っている。彼女の手には女の手が繋がれている。
兄「どうだ?妹の様子は?」
兄は先程女より今彼女がおかれている状況を聞かされた。兄は女と同じく彼女の話すすべての真実を受け入れられた。妹がこんなボインに成長しているのは予想外だったが、しっかり育ってくれている事が嬉しかった。出来るならば揉みたい。揉もうとしたら殴られた。下衆が。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 19:58:33.79 ID:XtIC8Swk0
「She is a visitor?」
「はい。彼女は兄の妹にあらせます。」
「Oh, so.Although it is good for her to solve a mystery,Can she bear?」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 20:12:33.29 ID:XtIC8Swk0
彼女は目覚めた。ふかふかしているものが覆いかぶさっていたのですぐにベッドの中で寝ていたのだと認識した。部屋は彼女を残し誰も居なかった。
彼女は少し寂しかったがその寂しさも心の中に押し込み、ベッドから這い出て扉に近寄り扉を開けた。
キィという声を発し扉は開いた。扉の先には兄......と彼女の産み親が居た。
「おか...さん......?」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 20:20:01.17 ID:XtIC8Swk0
間違えた
彼女の拳が
↓
彼女の言葉が
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/10(水) 20:34:52.61 ID:3XAv3rV8o
いきなりバイオレンスになるからビビったwwwwwwww
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 21:12:17.83 ID:XtIC8Swk0
彼女は言葉を放っただけであった。彼女は女の中でも非力でありとても母を押し飛ばす程の力はない。彼女はとある言葉を放っただけである。とある言葉を放っただけで彼女は死人を吹き飛ばしたのだ。
「死人が、母の真似をするな」
彼女は至極真っ当な言葉を口にしただけであった。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 21:28:26.54 ID:XtIC8Swk0
彼女は驚いていた。驚くというよりも、虚しいような悲しいようなそんな気持ちに包まれていた。
「嘘......私がやったの?」
彼女が殺した。死人といえども、殺した事に変わりはない。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 21:49:42.96 ID:XtIC8Swk0
「貴方は選ばれました。
貴方はこの家系の末端であるとともにこの真実を知る資格があります。
今から貴方は空想の3年前、事件が発生した5日間を体験してもらいます。ですが実際の5日間と違う所は犯人が誰もいないという事です。空想の5日間では誰も悪しき心を持っておらず皆が皆を思いやり皆が平和に過ごします。
28Res/15.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。