過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
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290:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/10(土) 20:43:15.91 ID:3fyd0OBCo
>>289
予想と違ったからまあ楽しめたです。
でもきっと嫁のもエロイ事になってるよね


291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/10(土) 20:54:45.34 ID:za3L0Rgr0
エロい事になってる設定ですが、自分の筆力だとエロいところをエロく書けんとです……
拙い小咄ですが、少しでも楽しんでいただけたようで幸いです


292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/11(日) 02:33:58.49 ID:VMBVgmEm0
前スレで頂いた『色鉛筆』と言うお題で書いた小説を投下します。
途中で放置してあったのですが、何となく最後まで書いた方が良いような気がして最後まで書き切りました。
文章が固く、会話文もあまりないため読みにくいかもしれませんが(エンターテイメント性があまりないです……)、もしお暇があれば読んでいただき、厳しい批評をいただきたいです。


293:真っ白と黒と無色の天使(お題:色鉛筆) 1/9  ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/08/11(日) 02:39:52.41 ID:VMBVgmEm0

 たくさんの絵の具の匂いがしている。ここは父がアトリエとして使っている部屋だ。僕にはまだはっきりと区別がつかないが、様々な道具の匂いが、空気や壁に染みついたように僕の嗅覚を刺激する。油絵の具の独特の匂い、資料の本の少し黴臭い香り、画材や何かのよくわからない幼い頃から嗅ぎ続けている香りが、そこら中から漂ってきている。
 父が絵を描く仕事としていると言うことは幼い時から聞いていた。しかしながら、父は世間がイメージする画家と言った、いかにも芸術性にあふれる浮世離れした職人という事ではなくて(本格的な画家と言う職業が何を指すのか僕にも今ひとつわからないけれど)父の仕事は主にちょっとマイナーで芸術性のあるミュージシャンのPVを作るために絵を提供したりだとか、テレビ番組で使うこまごまとした、別にあっても無くてもいいような絵を提供したりだとか、何かの商品の広告ポスターのための絵を提供したりと言った、いわゆる絵の何でも屋さん的な仕事をしているのだと教えられた。そしてその仕事やら営業やらの合間に、父は自分の好きなように描いた、大きさの自由な絵を、時間の許す限りを使って何枚か仕上げ、その絵を自らが開く個展などで発表しているのだとも、僕は聞いていた。
 父の創作活動がそういう僕の見える範囲で行われるようなものであったから、僕は幼い頃から絵という存在に、猛烈に興味を持っていた。その
こともあり僕は小さい時から(とは言っても僕はまだ十四歳であり、大人から見たら充分に小さい子供だとは思うけれど)父の絵を何回も見てき
以下略



294:真っ白と黒と無色の天使(お題:色鉛筆) 2/9  ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/08/11(日) 02:41:11.46 ID:VMBVgmEm0

 自分が色覚異常を有していると分かっても、僕は絵を描くことを止めなかった。と言うよりも、当時四歳であった僕には、
自分が他人とは違う特別な病を持っていると言うことが、上手く理解できなかったのだと思う。僕にとって色の欠けた世界
と言うのは当たり前の感覚であり、生まれた時から僕はその中で生きてきた。当然、皆も僕と同じように見えているのだと
思っていたし、四歳の子供に他人との区別が上手くつくはずもなかった。自我でさえやっと芽生えて育ち始めた時だったの
以下略



295:真っ白と黒と無色の天使(お題:色鉛筆) 3/9  ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/08/11(日) 02:43:02.00 ID:VMBVgmEm0

 それ以来、僕は父の言いつけを守るようにして、色のついた絵を描き続けている。
 それと、基礎的な事を学ぶために、絵画教室にも通うようになった。近所に住んでいる、昔大学で絵を教えていたと言う
お爺さんが開いている半ば趣味のような絵画教室にて。僕はそこで父から教わらなかったことを学んでいた。十四歳になっ
た今、父はもういない。既に父が死んでから三年の月日が経っていた。僕が小学五年生の時に、父は亡くなってしまった。
以下略



296:真っ白と黒と無色の天使(お題:色鉛筆) 4/9  ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/08/11(日) 02:44:08.60 ID:VMBVgmEm0

 学校から帰って来てからも、休日の朝から晩までも、僕は暇さえあれば絵の世界に没入することを自分に強いた。僕は言
葉を持たなかった。他人と話をすることを好まなかったこともあるが、僕には絵の世界があれば十分だった。絵画教室の先
生は、僕の絵の上達に驚いているようだった。僕は雪原さんをモデルに、人物画を描くようになっていた。それは誰にも秘
密にしていたが、恐らく先生にはばれているような気がした。
以下略



297:真っ白と黒と無色の天使(お題:色鉛筆) 5/9  ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/08/11(日) 02:45:20.69 ID:VMBVgmEm0

 雪原さんは、高校に入学すると共に絵画教室に通わなくなった。僕は自分の恋心を彼女に告白することはしなかったし、
そもそも彼女のメールアドレスすら知らなかった。彼女とは絵画教室で話すだけで、僕らは友達以上の関係に至れなかった。
それ以来、彼女と会う機会はなくなった。彼女の家の場所は知っていたが、そこに向かう勇気もなかった。会わなくなって、
彼女への思いがどんどん強くなるのを感じていた。思いが強くなりすぎて、僕の中で雪原さんは、どんどん神格化していく
以下略



298:真っ白と黒と無色の天使(お題:色鉛筆) 6/9  ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/08/11(日) 02:46:30.29 ID:VMBVgmEm0

 僕の絵は、世間から評価されるようになった。高校に入ったばかりの頃までは、僕の絵は評価されなかった。例えば賞な
どに応募してみても、選考を通過することさえなかった。僕はそれでいいと思っていた。他人から評価される必要などない
と思っていた。僕はただ、自分の感情や思考を、筆を通じて吐き出しているだけだった。それは自分にとって必要だからや
っていただけだ。もちろん世間から評価されたらどうなるのだろうと言う、虚栄心を含んだ思いがあったからこそコンクー
以下略



299:真っ白と黒と無色の天使(お題:色鉛筆) 7/9  ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/08/11(日) 02:47:56.81 ID:VMBVgmEm0

 雪原さんは、以前の様に優しい微笑で僕を迎えてくれた。その事で、僕は思っていた以上に安心することが出来た。もし
かしたら、僕は彼女に拒絶されるのではないかと思っていたのだ。昔一緒の教室に通っていただけの男が、ストーカーみた
いに家に訪れる。その事で彼女は、僕を罵るのではないかと密かに懸念していたのだ。だが彼女は、僕の来訪を喜んでくれ
た。家に招き入れてくれさえした。そして僕らはリビングで語り合った。主に僕の絵画が受賞したことについて。彼女はそ
以下略



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