90: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:07:14.34 ID:EnRHzSex0
僕は、そのメールを受け取った瞬間、崩れ落ちそうになっていた。
幸せ。幸せだって。そう記載されている。残り一日。一時間だ。
僕は、不幸にならなければいけないはずだった。なのに、僕は。
91: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:07:52.43 ID:EnRHzSex0
時間は少ない。もう、残り五十分。両親のように体調を崩してはいない。
となれば、突然死するという方が自然だろう。死因は多々あったはず。
同一の条件であったのは「八十歳に至れば、死亡する」というものだ。
92: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:09:42.88 ID:EnRHzSex0
「いきなり呼び出して、ご挨拶じゃねえか。こんばんは、だろうが」
「あなたが、観測者だったわけだ。僕は、もう、気付いてしまった」
93: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:10:22.04 ID:EnRHzSex0
「この世界では、誰もが八十歳で死に至るんだ。それは誰もがなんだ」
「記録係の彼も、言ってたよ。神様は『猶予期間』を設定した、って」
94: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:10:52.22 ID:EnRHzSex0
「あたしは、どんな手を使ってでも、お前を幸せにしてやるからな」
「絶対だ。これだけは、譲らねえ。誰の言葉でも、神様とやらでも」
95: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:11:24.96 ID:EnRHzSex0
あなたは 幸せ です。
「そうだろ?一日中、ゲームがやり放題だ。最高じゃねえのか」
96: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:11:50.36 ID:EnRHzSex0
「あたしは、嘘吐きなんだ。目的の為なら、誰だって騙してやる」
あなたは 幸せ です。
あなたは 幸せ です。
97: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:12:40.11 ID:EnRHzSex0
「もしもし」
「ああ。まだ死んでないかしら。生きてるか。よかった」
98: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:13:36.68 ID:EnRHzSex0
「でも、心配しないで。また、わたしは転校してくる」
「父に頭を下げて。あなたと一緒の学校がいい、って」
99: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:14:30.22 ID:EnRHzSex0
「どれだけ世界が変わったとしても、この想いだけは変わらない」
あなたは 幸せ です。
あなたは 幸せ です。
100: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:15:05.93 ID:EnRHzSex0
あなたは 不幸せ です。
133Res/129.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。