136: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/29(木) 14:46:42.16 ID:9rygtMkWo
  と言う事は、出向社員はまだ若手の社員で、実務経験を積ませる目的があるのだろう。シンデレラガールズ側としても、有望な若手社員に経験を積ませることが出来る。 
  
  上手く利用されているとも言えるのだろうが、こちらも彼らのノウハウや、築き上げたパイプラインを、彼らが居なくなっても使えるのは大きな利点である。どちらにとっても利点ばかりである。 
  
  強いて欠点をあげつらうなら、当の出向社員にとっては、本社がいよいよ稼働するという段にも関わらず、肝心のその本社で働けない事だろう。かなり酷な条件とも言える。 
137: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/29(木) 14:47:36.57 ID:9rygtMkWo
 「Pくん。我が社に関しての心配はいらない。君は君のすべきことを、そしてしたいことをしなさい。君には、それだけの才能があるのだから」 
  
  と言った。こんな恩知らずの私に対して、こんな優しい言葉を掛けてもらえるとは思っていなかった。最悪、罵倒されて追い出されてもおかしくはない。 
  
 『……ありがとうございます、社長』 
138: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/29(木) 14:48:06.15 ID:9rygtMkWo
 『……今まで、お世話になりました』 
  
  小さな雑居ビルの出口から外へと出ると、私はビルの方へ向き直り、静かに頭を下げた。この事務所へ、社長へ、同僚へ、感謝を込めてだ。 
  
  自らの会社に愛着を持つのは、日本人に顕著にみられる特徴であり、それは良くも悪くも社員と会社を結び付けていると聞く。 
139: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/29(木) 14:49:39.15 ID:9rygtMkWo
 本日の更新は以上です。 
 日が空いたわりに書き進められませんでしたが、今月中にはもう一度投下したいと思っています。 
 思っているだけでできないかもしれませんので、その点はご了承ください。 
 読んで下さり、ありがとうございました。 
140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/29(木) 16:00:58.14 ID:QEYFx6sIo
 乙乙 
 楽しみにしてるよ 
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/30(金) 10:33:58.65 ID:axYJ2J//o
 乙ー 
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/30(金) 12:29:42.86 ID:icvT1M6Do
 乙乙 
  
 社長がかっこいいなぁ。いい大人を書くよね、本当 
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/09/01(日) 00:23:53.98 ID:Vfb2TseMo
 おつー 
144: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/01(日) 06:58:20.29 ID:GlcPGu06o
  この建物の前に来るのは、二度目のことだ。前回は、ただのお遣いだった。だが、今回は違う。 
  
  今回は、私自身の進退を決める為であり、なおかつ私の意思でこの場にいる。ありていに言えば、私はここに来たいと思ったからここに来た。それが、今までの私との違いだ。 
  
 (……それを差し引いても) 
145: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/01(日) 06:58:50.75 ID:GlcPGu06o
 「……もしかして、中小プロのPさん、ですか?」 
  
  そんな折、声を掛けられたのは驚きだった。びくり、と体を震わせ振り返ると、そこにいたのは以前、エントランスホールに机を引っ張り出して事務作業をしていた、若いプロデューサーだった。 
  
 「このようなお時間に、どうかなさったのです?」 
146: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/01(日) 06:59:16.39 ID:GlcPGu06o
 (類は友を呼ぶ、というやつかな) 
  
  彼らはきっと、私と違って非凡であり、なおかつ有能なのだろう、と思った。いまさらそれに落胆したり、消沈したりするつもりはない。 
  
  私は平凡である。だが、平凡でありながら有能と言うのは体現できるはずだ。そして、それが出来るのであれば、大きな強みになる。 
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