過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
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69: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:31:25.05 ID:kxAWoUKR0

 私の大好きな能力バトルの漫画。主人公は銀髪赤眼の闇剣士、ブリュンヒルデ・ノワール。能力名にもなっているそれだ。
 日本刀を武器にする彼女と同じ能力にはならなかったけど、こんな漫画みたいな展開を私は望んでたんだ。しかも願い事をかなえてくれるおまけつきなんて、大盤振る舞いもいいところじゃない?

 疲れもだいぶ取れてきた。立ち上がって、スカートについた砂埃を払った。屋上はやっぱり静かで、私の心を落ち着かせてくれる。
以下略



70: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:31:51.18 ID:kxAWoUKR0

 呼吸が浅い。脂汗が滲んでいる。体が発するアラートがうるさくてうるさくてたまったものじゃない! 従えるんだったら私だって従いたいよ!

黒マント「後ろから、前……!」

以下略



71: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:32:17.65 ID:kxAWoUKR0

 ポリバケツの蓋に飛び乗った。血が頬を伝い、肩を伝い、地面に点々とした血の跡がつく。腕を動かすたびにびりびり痛み、灼熱感もまだ相当あるけど、失血はそれほどでもないのが唯一の救いだった。
 とりあえず失血死、ということは当分考えなくてもよさそうだ。まずは襲撃者を殺す。そのあとゆっくり治療はすればいい。
 よし。

以下略



72: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:33:08.67 ID:kxAWoUKR0

 銃撃は、最初は指、次に肩、最後に耳を狙った。それを必然だと片付けるつもりはない。狙うなら当然頭だ。つまり、自然に考えるならば、敵は銃撃自体には慣れていないのだろう。
 けれど次は。思考する。段々と狙いはあってきている。耳の次が眉間でない保証はどこにもない。勿論私が動いていればその限りじゃないんだろうけど。

 ビルに突入した。テナントが小さなデザイン事務所一件しか入っていない、殆ど廃ビルみたいなものだった。警備員やら利用者にも殆ど出合わず、敵を捜索する。
以下略



73: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:33:41.10 ID:kxAWoUKR0

 炸裂音――火花――階段の手すりが爆ぜる。

 ほら! やっぱりまだ逃げていなかった!

以下略



74: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:35:23.42 ID:kxAWoUKR0

??「や、元気?」

黒マント「あんた……!」

以下略



75: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:35:50.68 ID:kxAWoUKR0

 用済みになったから。
 真偽はともかく、与えられた情報を元手に襲う類の人間がいることは、なにより私が一番よく知っていることじゃないか!
 斡旋者、仲介人、死の商人。『天網恢恢疎にして漏らさず』を喩えるならこんなものだろう。

以下略



76: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:36:23.35 ID:kxAWoUKR0

 私は跳んだ。三階建てのアパート。普通ならばなにしたって間に合うはずがない。けれど私は普通じゃない。銀髪赤眼の闇剣士なのだ。

 ここは外。屋外。人通りの多い大通り。真昼のオフィス街。
 視界いっぱいに無機物があふれてる!
以下略



77: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:37:39.00 ID:kxAWoUKR0

??「もうそういうのいいから」

 背骨から臍にかけて衝撃が走った。
 四肢の自由が不意に効かなくなって、思わず地面に倒れこむ。受け身もできない。手も付けない。顔面から地面に倒れて、なんだこれ、なにこれ、どういう、え、なにこれ!
以下略



78: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:38:23.72 ID:kxAWoUKR0



 漫画でもラノベでも、誰も怪我なんて痛そうにしてなかった!

以下略



79: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/01(日) 08:39:50.13 ID:kxAWoUKR0

 やだ! やだ! 嫌だ! そんなの、こんな、だってこれ、怖い!
 死にたくないよ!

 死にたくないよ!
以下略



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