99: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:38:52.49 ID:KwFoDQjV0
あたしが能力者になったのがちょうど十日前。猪突猛進が一週間前、弱肉強食も一週間前、悪即斬が二週間前、邪気眼が四日前、有言実行が昨日。残りの面子も恐らく大きな差はないだろう。
この符合。
杞憂ならいい。が、果たして……。
100: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:39:57.74 ID:KwFoDQjV0
―――――――――――――――――――――――――――――
そのまま直帰するため、鞄の類は全部持って、あたしたちは件の『進めない門』へと向かっていた。町はずれの屋敷。あたしも場所だけは知っている。確か、大きくて古い日本家屋があったはずだ。
オカルト好きの間ではそこそこ有名なのに、どうしてさほど話題になっていないのか。それもまた怪しい。まるで何らかの力が働いているかのようじゃないか。
例えば、宇宙人とか。
101: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:40:34.31 ID:KwFoDQjV0
後輩「門は和風の門でした。木造りの。鍵はかかってなかったんで、あれだと思いましたけど、こっそり開けて入っていったんです」
後輩「敷地は草がぼうぼうで、石畳が家の入口まで点々とあって……で、一歩踏み込んだら、外でした」
102: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:41:30.56 ID:KwFoDQjV0
いや、目下のところ、問題は別のところにあって。
能力者の反応が二つ。
学校から遠く離れたこの町はずれにおいて、二つ。
103: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:42:28.51 ID:KwFoDQjV0
溌剌としている、と思った。
猪突猛進のような溌剌さとは毛色の違う、この世の物事全てが最終的にはうまくいくと信じきっているような、どこまでも澄んでいる――澄みすぎている、気持ち悪いほどに。
だめだ、混乱している。
104: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:42:56.62 ID:KwFoDQjV0
後輩「早くいきましょうよぅ! この人、なんかおかしいですっ!」
彩人「『今日は頑張って遠出してみましょう! 思わぬ出会いが待っているかも!』」
105: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:44:07.45 ID:KwFoDQjV0
なんだ。なんだこれ。一体全体なにがどうなっている。
車が突っ込んで来た――それはわかる。それにしたってタイミングがよすぎやしないか。絶妙に彩人を避けて、あたしだけを轢殺するこの角度。
邪気眼と同じようなサイコキネシスか? けれどそれなら、ブレーキ音がするのは聊か理解に苦しむ。事実邪気眼が車をぶん投げたときはブレーキ音なんてしていなかったはずだ。
106: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:44:36.83 ID:KwFoDQjV0
彩人「二位の私に勝てるかな!?」
きんきん声で彩人は叫んだ。こちらの目を覗き込むように、その澄んだ瞳が見開かれている。
同時に流れ込んでくる、こいつの全て。
107: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:46:11.82 ID:KwFoDQjV0
彩人「二位の私に勝てるかな!?」
きんきん声で彩人は叫んだ。こちらの目を覗き込むように、その澄んだ瞳が見開かれている。
同時に流れ込んでくる、こいつの全て。
108: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:47:15.51 ID:KwFoDQjV0
彩人「二位の私に勝てるかな!?」
きんきん声で彩人は叫んだ。こちらの目を覗き込むように、その澄んだ瞳が見開かれている。
同時に流れ込んでくる、こいつの全て。
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