過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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322:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:04:01.88 ID:H7FQDfEZo



 帰る気にはなれなかった。家に帰ったところで、どうなるわけでもない。
 俺の態度は、きっとまだいつも通りじゃない。家事を手伝おうとしたって、妹にまた心配させるだけだ。
以下略



323:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:04:57.84 ID:H7FQDfEZo

 さて、と俺は思った。家には帰りたくない。かといっていつまでも部室にはいられない。
 とにかく移動するしかない。どこでもいい。そう考えたところで屋上のことが頭に浮かんだ。

 屋上。
以下略



324:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:05:27.22 ID:H7FQDfEZo

「……前からずっと、聞いてみたかったんだけどさ」

 彼女は珍しく、そんなふうに口を開いた。ちょっと口籠るような様子。
 何かを言いあぐねているような。
以下略



325:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:06:10.85 ID:H7FQDfEZo

「……そんなことはないよ」

「じゃあ、わたしのことどう思ってる? どんな存在?」

以下略



326:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:06:42.53 ID:H7FQDfEZo

「今日はどうかしたの?」

 気を取り直すみたいな感じで、彼女は口を開いた。俺は今の表情の変化を頭の中で処理しかねていた。

以下略



327:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:07:14.90 ID:H7FQDfEZo

「……いや、書かない、っていうか」

「うん」

以下略



328:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:07:48.31 ID:H7FQDfEZo

 俺はまた、何も言えなくなった。何も言い返すことができない。 
 だって彼女の言っていることは正しいのだ。

「……なんか、ごめん。変なこと言ったかも」
以下略



329:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:08:21.35 ID:H7FQDfEZo

 みんな扉の向こうに去っていく。いつまでも残っているのは俺だけだ。
 誰かが俺と会う。俺と話をする。そして誰かは俺を残して去っていく。
 
 扉の内側に残るのは俺だけだ。
以下略



330:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:08:56.74 ID:H7FQDfEZo

 彼女は息を整えたあと、右手に握った何かをこちらに差し出した。

「これ、渡しておいてもらおうと思って」

以下略



331:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:09:50.19 ID:H7FQDfEZo

「……枝野?」

「うん」

以下略



332:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 19:10:52.27 ID:H7FQDfEZo
つづく


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