43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/02(水) 00:27:02.76 ID:2qmOTCUlO
男「うん、…なんかすっきりした」
雪女「汗をしっかりかかれていましたからね。あとで執事に着替えを頼みましょう。それとお食事はどうなさいますか?」
男「さっき言ったおじやは?」
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/02(水) 00:27:30.74 ID:2qmOTCUlO
雪女「お待たせいたしました」
10分ほどぼうっとしていると、雪女が部屋に入ってきた。
手にはトレーに載った一人前用の土鍋と取り皿。
湯気が自分に当たらぬよう、ちゃんと布巾が載せてある。
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2013/10/02(水) 00:28:50.45 ID:2qmOTCUlO
トレーをテーブルに置くと、雪女は離れた。
布巾で土鍋の蓋を開けると、いつか嗅いだことのある優しい匂いが立ち込める。
男「…?」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:29:23.00 ID:2qmOTCUlO
男「…ねぇ、雪女、これって…」
雪女「奥様が作られました」
男「でも、お母様は」
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:29:50.57 ID:2qmOTCUlO
母が、僕のために。
雪女「それと、旦那様から一時間おきに状態を報告するように言いつけられておりますので、失礼します」
そういうと、雪女は携帯電話を取り出し、ピロリロリーンと間抜けな音を発生させた。
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:30:29.32 ID:2qmOTCUlO
父が、僕を心配して。
雪女「坊っちゃんは、愛され坊っちゃんですね」
携帯でメールを打ちながら、雪女は言う。
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:31:00.45 ID:2qmOTCUlO
携帯がまた鳴り出す。
雪女の顔が綻んで、僕に携帯を渡す。
雪女「旦那様からですよ、坊っちゃん」
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:32:15.04 ID:2qmOTCUlO
いつかの日
日記を閉じて、思い出す。
そう言えば、雪女の役目を知らずに過ごしていた。
お役目自体は夏頃にしかなく、あとは坊っちゃんのお世話係なのですよ、と笑っていた雪女。
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:32:57.21 ID:2qmOTCUlO
そういうと、母は着いてくるよう言い、先に歩き出す。
薬があっているのか、病弱であったはずの母はここ数年調子がいい。
少し日に焼けた母を見下ろしながら、小さくなったものだな、と考えてしまう。
いや、僕が大きく、それだけ時が流れたのだ。
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:33:33.94 ID:2qmOTCUlO
母についていくと、そこは厨房だった。
こんなところで仕事をしていたのか。
母「雪女の役目はね、ここで害虫を駆除することよ」
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:34:13.61 ID:2qmOTCUlO
母「昔は殺虫剤というものがなくてね、曾お祖父様が雪女を見かけた時、これだ!と思ったそうよ」
母「今はこれがあるから雪女がいない家庭でも、似たようなことができるようね」
本当、便利な世の中になったわ、と笑う母が持っていたそれは、スプレー缶だった。
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