過去ログ - 男「僕の家の雪女」
1- 20
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:22:40.08 ID:2qmOTCUlO
「…うん、大丈夫」

身体を起こそうと仰向けになり腕に力を入れる。
少しふらついたときに、雪女が支えようとしてくれたが、触ると溶けてしまうので躊躇ったようだ。
仕方ない、他人より我が身が可愛いのは誰だって一緒だ。
以下略



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:25:50.14 ID:2qmOTCUlO
僕に水を勧め、飲んでいる間に氷枕が置かれる。
程よく冷えた水が喉を通って胃に到達すると、途端に空腹感が押し寄せてくる。

男「少し、お腹空いたな」

以下略



42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:26:27.09 ID:2qmOTCUlO
薄く笑って、雪女は部屋を出て行った。
空になったグラスをベッドサイドに置き、また横になる。
後頭部を冷やす氷枕の音が面白くて、しばらく頭を揺すって遊んでいたらいつの間にか眠っていたらしい。
気がつくと空がオレンジから黒へ変化していた。

以下略



43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/02(水) 00:27:02.76 ID:2qmOTCUlO
男「うん、…なんかすっきりした」

雪女「汗をしっかりかかれていましたからね。あとで執事に着替えを頼みましょう。それとお食事はどうなさいますか?」

男「さっき言ったおじやは?」
以下略



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/02(水) 00:27:30.74 ID:2qmOTCUlO
雪女「お待たせいたしました」

10分ほどぼうっとしていると、雪女が部屋に入ってきた。
手にはトレーに載った一人前用の土鍋と取り皿。
湯気が自分に当たらぬよう、ちゃんと布巾が載せてある。
以下略



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:28:50.45 ID:2qmOTCUlO
トレーをテーブルに置くと、雪女は離れた。
布巾で土鍋の蓋を開けると、いつか嗅いだことのある優しい匂いが立ち込める。

男「…?」

以下略



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:29:23.00 ID:2qmOTCUlO
男「…ねぇ、雪女、これって…」

雪女「奥様が作られました」

男「でも、お母様は」
以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:29:50.57 ID:2qmOTCUlO
母が、僕のために。

雪女「それと、旦那様から一時間おきに状態を報告するように言いつけられておりますので、失礼します」

そういうと、雪女は携帯電話を取り出し、ピロリロリーンと間抜けな音を発生させた。
以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:30:29.32 ID:2qmOTCUlO
父が、僕を心配して。

雪女「坊っちゃんは、愛され坊っちゃんですね」

携帯でメールを打ちながら、雪女は言う。
以下略



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:31:00.45 ID:2qmOTCUlO
携帯がまた鳴り出す。
雪女の顔が綻んで、僕に携帯を渡す。

雪女「旦那様からですよ、坊っちゃん」

以下略



50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:32:15.04 ID:2qmOTCUlO
いつかの日

日記を閉じて、思い出す。
そう言えば、雪女の役目を知らずに過ごしていた。
お役目自体は夏頃にしかなく、あとは坊っちゃんのお世話係なのですよ、と笑っていた雪女。
以下略



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:32:57.21 ID:2qmOTCUlO
そういうと、母は着いてくるよう言い、先に歩き出す。
薬があっているのか、病弱であったはずの母はここ数年調子がいい。
少し日に焼けた母を見下ろしながら、小さくなったものだな、と考えてしまう。
いや、僕が大きく、それだけ時が流れたのだ。



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:33:33.94 ID:2qmOTCUlO
母についていくと、そこは厨房だった。
こんなところで仕事をしていたのか。

母「雪女の役目はね、ここで害虫を駆除することよ」

以下略



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:34:13.61 ID:2qmOTCUlO
母「昔は殺虫剤というものがなくてね、曾お祖父様が雪女を見かけた時、これだ!と思ったそうよ」

母「今はこれがあるから雪女がいない家庭でも、似たようなことができるようね」

本当、便利な世の中になったわ、と笑う母が持っていたそれは、スプレー缶だった。
以下略



54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 00:40:06.30 ID:2qmOTCUlO
おわり


55: ◆V8hSvXiS.s[saga]
2013/10/02(水) 00:44:20.82 ID:2qmOTCUlO
期待しててくれた人たち、本当ごめん。
メモ帳に「オチ:スプレーにとってかわる雪女たん」とか書いてあって勢いでそこに繋がるストーリー考えてたらなんかもうわけわからなくなった。
一応最後まで書いたけど、もうなんか夏までに終わらなかったし、もうどうにでもなぁれ状態で書いたから本当ごめん。
ちゃんと全部書き終わってから投下すべきだった。
ちなみに元ネタはみんなわかると思うが、フマキラーのゴキブリ凍止ジェット、雪女編です。
以下略



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/02(水) 01:17:43.35 ID:baZpB4TKo
なんというズコーがあうSSwwwwwwww
これはこれで面白かった乙


57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/02(水) 02:29:27.51 ID:R8nU4g08o
なんだよそのオチwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんだよそのオチwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww



以下略



58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/02(水) 03:35:19.84 ID:MU7dnCkno
乙乙
イイハナシダッタノニナー


59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/02(水) 05:48:56.26 ID:dJxgBTLJo

オチでワロタ

魔王の田植えの人だったのか
稲刈りも楽しみにしてるよ


60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/05(土) 09:35:00.13 ID:V8C7E4Emo
なんだよこれwwww


60Res/21.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice