76: ◆lQzP0htYVdWl[saga]
2013/09/17(火) 01:11:34.82 ID:Ab7FHP5Uo
目の前にいる人は、
インハイ前の船久保先輩とは全く違う雰囲気を漂わせていた。
一言で言うなら、「部長らしい」。
貫禄と、思いやり。
見違えるほどの部長らしさを、部活で発揮しているようだった。
「清水谷先輩のことが、心配なんは、わかる。…やけどな、オータムも目の前に迫った今、一軍の泉が頻繁に休むのは…見逃せんで」
眼鏡の奥の、優しくて、冷たい瞳。
部員を叱る時の竜華先輩の目にそっくりだな。
「…わかって、ますけど……それでも、私は」
「……そうか」
その目を静かに伏せて、考え込む。
もう一度こちらを見た先輩の目は、潤み、揺れていた。
「なら……このオータムは、レギュラー降りてもらうで」
小さな声。
されど、毅然とした声。
私は、従うしかない。
私も、先輩も、望んでいないことであるけれど。
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