過去ログ - 『「雨だ……」』
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453: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:27:02.30 ID:47+h4pm/0
学者「おお! 意外にも私の力作が残っているではないか、既に撤去されているとばかり予想していたが」

竜『片付けるのが面倒だっただけだ。他意はない』

学者「うーむ、この寝転ぶと自然と一体化したかのような感覚がたまらないな。枯れ草が付くのが難点だが」ワサワサ
以下略



454: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:28:56.14 ID:47+h4pm/0
学者「さて、私は腹が空いた。然るに貴様も食事にしろ」

竜『何故我が人間に合わせなければならない』

学者「食事は誰かと共にすると旨さが倍増するのだ。故に付き合え」
以下略



455: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:30:37.29 ID:47+h4pm/0
学者「これを見ろ」ドサドサ

竜『なんだ? 書物か?』

学者「これを読み一般常識を少しは学べ。貴様はあまりに常識に疎すぎる」
以下略



456: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:32:47.36 ID:47+h4pm/0
竜『…………』ペラリ

学者「どうだ? どこかわからない所はあるか?」

竜『話しかけるな、気が散る』
以下略



457: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:35:24.24 ID:47+h4pm/0
学者「ううっ寒い! 貴様場所を交換しろ、その巨体なら良い風避けになるだろう」

竜『だが我が寒くなるではないか』

学者「か弱き淑女が震える姿を男子たるもの見逃せないだろう? 我慢しろ」
以下略



458: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:37:27.35 ID:47+h4pm/0
竜『気が付くと我は初め地面を這い蹲っていた』

学者「ふむ、その頃は四肢が発達していなかったのか?」

竜『そもそも四肢などなかった。我は身を捻りながらでしか動けなかった』
以下略



459: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:39:18.06 ID:47+h4pm/0
竜『目覚める度に我の体には微々たる変化が起こっていた。死を繰り返す内に以前は生えていなかった脚が生まれ、腕が生まれ尾が生まれていった。初めは外部より与えられる暴力に蹂躙されるだけだったが少しずつ逃げおおせることが出来るようになっていった。まあ時間の問題だったのだが』

学者「ふむ、……それが外部からエネルギーを得ることのない者が成長する方法というわけか。いやこれほどの変化であれば進化か」

竜『それから年月が経ち、ある程度今の姿に近づいた頃……ある日人間共に見つかってしまった、人間に発見されるのは今まで何度もあったのだがその時は違った』
以下略



460: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:40:52.92 ID:47+h4pm/0
竜『さて学者、この後彼らはどうしたと思う?』

学者「……苦境の中で献上品を捧げているにも関わらず願いが叶わなければ彼らの中には恐らく焦りや不満が生まれていっただろうな。そしてその負の感情の行き先は」

竜『うむ、察しの通りだ。彼らはいつしか正反対のことを口にするようになった。我は実は神ではなくこの村を苦しめる悪魔なのではないかとな。神と崇めたり悪魔と罵ったりと忙しい奴らだ』
以下略



461: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:43:30.42 ID:47+h4pm/0
学者「まあ赤の他人、それも生者でない者のことなどどうでもいい。その後貴様はどうしたのだ?」

竜『我は今まで以上に人間を避けるようになった。日に日に険しい土地へと身を寄せた。しかし、どんな辺境の地に隠れ潜もうが必ず奴らが来てしまう。ありえない偶然が重なり奴らとの邂逅が果たされてしまうのだ』

学者「ほう、なら私が貴様と出会ったのも運命の赤い糸という奴で繋がれていたのかもしれんな!」
以下略



462: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:45:00.60 ID:47+h4pm/0
学者「貴様の人間に対する価値観には幾ばくか興味がそそられるが話が逸れているな。軌道修正を要求する」

竜『ああ、といっても語ることなどもう殆どない。そうして我は可能な限り人の目を避け、この地に身を置いたのだ。恐らく数百年程は見つからなかったためこの地なら、と思っていたのだが…』

学者「いやあ残念だったな、はっはっは」
以下略



463: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:47:55.56 ID:47+h4pm/0
学者「ふう、さてそろそろ床につくとするか」モゾモゾ

竜『やっとか、貴様が一々話しかけてくるために我は著しく疲れ果てたぞ』

学者「貴様は無愛想ながら律儀に答えを返してくれるからな、恋人にするなら最適だ」
以下略



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