過去ログ - カカシ「春野サクラ……!」
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21: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:15:41.84 ID:ZqZKzP3U0
数日後、俺達はいつものように雑用をこなしていた。

しかし、現場に流れる空気は重く、チームワークも壊れてしまった。

いや、俺が壊してしまったんだ。


いっそ、本当に思っていることを言えば俺の気持ちだけでも、晴れていたのかもしれない。

結局のところ、自分を表に出すのが怖かったのだ。

馬鹿らしい出任せよりはマシだったかもしれないのに、もう取り返しはつかない。


恐らく本人は気が付いていないのだろうが、隣で作業をするサクラの髪がいちいち俺にぶつかってきた。

別に作業の邪魔にはならない程度だ。

本当にどうでもいい事なのに、酷くイラつくのはなぜなのだろう。

俺はどうかしてしまったのだろうか。

無言で距離を開ける俺に、鋭い視線が突き刺さった。

意外にもサスケが俺の事を睨んでいた。

見れば、サクラはかなり落ち込んでいるようだ。

だからといってお前に俺を責める権利があるのか、サスケ。

三時間ほど過ぎたのち、俺達は執務室に居た。

事務的に任務内容を報告し、俺達は帰途につく。

この日も第七班は俺以外、誰もいないのかと思うほど静かだった。

しかし、何とかしようとすら俺は思わなくなっていた。


扉を閉めて廊下をしばらく進んだとき、突然サクラが立ち止まった。

予想外の行動に、俺たちも立ち止まり振り返る。

これでもまだ、一言も発する者はいなかった。

無言の重圧に苛立ちを覚え、俺は遂に耐えられなくなる。

「……どうしたの」

答えなければ無視して帰ろうと思っていた。

ナルトとサスケも、何も答えないことを期待していたのかもしれない。

しかし、サクラは口を開いた。

「……ごめんなさい」

きっとまた突っかかって来るんだろうと身構えていた俺は、拍子抜けしてしまう。

同時に自分の馬鹿さを責めた。

こんな子供が素直に謝っているのに、俺は何をしていたのだろう。

だが、それに続く言葉がその後の俺達の運命を大きく変えた。

「カカシ先生も謝ってください」


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