20: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:18:20.00 ID:BTrtdNaVo
「と、ともかく、社長からお聞き及びしたところ、今日から出勤とのことらしいので、社長が不在の間は、私が研修を受け持たせていただきます」
『……は?』
「どうか、なさいましたか?」
21: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:18:49.92 ID:BTrtdNaVo
「……もしかして、聞いてらっしゃいませんでしたか?」
『ええ、十四時にくるように、とだけ』
「あの社長、またですか。本当、豪放というか、適当というか……」
22: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:20:36.16 ID:BTrtdNaVo
『ええ、大丈夫ですが。……何か、業務があるのですか?』
「いえ、業務ではないですね。ただ、今後業務をこなしていくために、Pさんにはまず芸能事務所の事に関して、勉強をして欲しい、という社長のご意向です」
この業界は少し特殊ですから、と少し苦笑を浮かべ、千川さんは言う。どうも、書類の整理から基本的な業務の一部始終まで教えてくれるようだ。
23: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:21:48.06 ID:BTrtdNaVo
本日の更新は以上です。次回の更新は予定通り週頭の月-火曜に行います。
それでは、読んで下さりありがとうございました。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/18(金) 00:35:43.07 ID:P36H0rGAO
おつー
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/18(金) 07:13:14.55 ID:KJe8QF1kO
乙
26: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/22(火) 01:16:30.02 ID:eLT1eDY5o
「おっ、良く来てくれたね、Pくんッ! 歓迎するよ!」
研修が始まってから大よそ二週間ちょっと。この月もあとは下旬を残すのみになり、本格始動を間もなくに控えた、あくる日のことだった。
シンデレラガールズ・プロダクションのプロデュース部に突如、大音声が響いた。その時、資料室で書類の整理をしていた僕は、その大声に一瞬体を震わせ、辺りを見回してしまう。
27: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/22(火) 01:16:57.49 ID:eLT1eDY5o
「ところで、新人研修は終わったかね、Pくん?」
大体二週間ほどで終わるプログラムだとは思うが、と豪放な笑顔を浮かべる社長に、僕は特に感情も、感想も出すことはなく、
『だいたい三日ほどで終わりましたよ』
28: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/22(火) 01:17:23.65 ID:eLT1eDY5o
「ほっほう、成程。やっぱり君は私が見込んだ通りの男だったわけだ。ふっふふ、はははっ」
そんな様子の僕を見て、何故か奇妙な笑い声を上げる社長。満足げな様子だ。僕はその理由が分からず、彼に尋ねる。
『何がおかしいのですか、社長?』
29: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/22(火) 01:18:02.40 ID:eLT1eDY5o
そうして、ゆっくりと息をすると、気が付けば自分の目の前に社長の顔がある。一瞬びっくりし後ずさる僕だったが、社長はお構いなしにずい、と僕へと近づいてきた。
『……な、何です?』
「ふむぅ……。いや、少し考え事、そうだね……。ふむ、ふむ……」
30: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/22(火) 01:18:31.35 ID:eLT1eDY5o
『ちょっと、社長、一体何を……』
「これとこれ、あとはこれだな……。それと、この資料とこの資料、そっちの資料もだね。ああ、Pくん、そのクリアファイルをこっちへ寄越してくれるかい」
突如始めた奇行のように見えたそれだが、恐ろしいほどに社長の声は冷静で、それでいて理知的だった。何より、資料を探る手つきが酷く手慣れている。
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