10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/15(火) 08:25:54.29 ID:VqsKOT7To
七人の人か
期待
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/15(火) 19:56:26.25 ID:RRUJOjCeO
マジか
これは期待
12: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:12:04.90 ID:BTrtdNaVo
少し騙された気分だった、と言ったら語弊があるだろう。これを詐術としてしまうなら、間違いなく騙された僕が悪い。
あの日は前の職場に辞表を提出した帰りで、鬱々とした気分だった。しかし、そのことを差し引いても、ろくすっぽ話も聞かず、その場で契約書にサインをするのはあまりにも軽率だった。
なので、そんな社会人としてあるまじき行為をした僕に全責任があるのは自明の理である。悪質なキャッチセールスだったら、今頃数百万の請求書が僕のもとにやってきているに違いない。
13: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:13:04.45 ID:BTrtdNaVo
(まあ、新設されるんだから知らなくて当然なんだけど)
その日の僕は、これ以上ないぐらいくらい楽観的であり、同時に悲観的でもあった。
すなわち、新しい仕事がどの程度、自分をこの職に留めておいてくれるのかという、聞く人が聞けば、傲慢と受け取られること間違いない考えである。
14: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:13:33.76 ID:BTrtdNaVo
『ええと、シンデレラガールズ・プロダクションまで。住所は――』
タクシーの運転手へそう伝えると、扉が閉まり、タクシーが動きはじめる。
僕は、ビジネスバッグのポケットへスマートフォンを仕舞い込むと、少しの間目を閉じる。駅からおよそ十五分の距離だ。大通りを進んで、少し支道へと逸れた場所にあるらしい。
15: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:14:08.08 ID:BTrtdNaVo
『大きい……、のかな?』
社屋を見て、僕はそう零した。疑問符がついてしまうのは、この社屋よりずっと大きい社屋を持つ会社で働いていたことがあるからだ。
比べるものではない、とは思うものの、どうしても比べてしまうのは人間の性だろうか。
16: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:14:37.74 ID:BTrtdNaVo
しばらく呆然としていた僕だったが、我に返ると、恐る恐るそのデスクへと近づく。すると、その向こうからがりがり、とペンを走らせる音が聞こえてくる。
『失礼します、どなたかいらっしゃいますか?』
僕はデスクの向こうへと声を掛けると、次の瞬間、
17: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:15:31.22 ID:BTrtdNaVo
「ああ、せっかく積み上げた書類が……っ」
『大丈夫ですか』
「あっ、はい、大丈夫ですよ! それで、どのようなご用件で?」
18: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:15:59.07 ID:BTrtdNaVo
『いらっしゃらない?』
「ええ。西のほうへいってから北の方へ、アイドルとスタッフを捜してくると言い残して、カバン一つだけで行かれました。まあ、いつものことなんですが」
プロデューサーは、少し苦笑をしながら、そう言った。
19: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:16:36.50 ID:BTrtdNaVo
ちひろ、と呼ばれたその女性は、プロデューサーに向けて少し微笑みかけると、今度は僕のほうへ向けて微笑んでくる。
「初めまして、ようこそシンデレラガールズ・プロダクションへ、Pさん。私、プロデュース部門の専属事務員である、千川ちひろ、といいます」
『……初めまして、Pといいます』
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