過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:53:42.03 ID:QDJ8uQLI0
平和な日々っていいですね。とても。 とても
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793
:
◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:54:09.94 ID:QDJ8uQLI0
時は日中に遡る。
忘れ物がある、と言いだしたウートガルザロキに付き合い、トールは駅に居た。
駅のロッカーからアタッシュケースのようなものを二つ取り出した青年は、のんびりと伸びをして。
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794
:
◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:54:38.05 ID:QDJ8uQLI0
「………エプロン…とメイド服…か?」
「そうそう。メイド服の方は聖天使ミカエロメイド服とかいうやつ」
「何に使うんだよ、こんなの。霊装か何か?」
「何でも戦闘に結び付けんなよ。彼女にでも着せたら雰囲気出るだろ。
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795
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:55:06.39 ID:QDJ8uQLI0
(………考えろ)
かつて世界の流れ全てを我が物顔で掌握していた少女は、衣装を手に迷っていた。
まずはメイド服を着るにしても、そのままではプライドに傷がつく。
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796
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:55:37.65 ID:QDJ8uQLI0
脱衣所からようやっと彼女が出てきた。
トールは退屈そうな表情をやめ、そちらを見やる。
非童貞だろうが雷神だろうが男は男だ。
自分が好意を抱く女の子が可愛い衣装を着れば見るに決まっている。
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797
:
◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:56:30.54 ID:QDJ8uQLI0
諦めの悪い。
そんなところに救われたのもあって、咎めはしないものの。
フィアンマはメイド服を脱ぎ、下着も脱ぎ、裸になった。
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798
:
◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:57:06.87 ID:QDJ8uQLI0
よもや、青年の体で出てこようとは。
彼女の扱う術式について完全に失念していた、とトールは机に突っ伏す。
「クソ……」
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799
:
◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:58:04.26 ID:QDJ8uQLI0
もうそろそろ、とフィアンマは脱衣所から出た。
ぺたぺたと歩き、トールを探す。
「トール」
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800
:
◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 22:59:05.49 ID:QDJ8uQLI0
自分の身体を見る。
何も変化はなかった。
いいや、正確に言えば『変化』が『なかったこと』になっている。
部屋に手を加えて、自分の術式を妨害したのか。
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801
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/04/05(土) 23:00:08.30 ID:QDJ8uQLI0
恥ずかしい。
勝利を確信していたのに、気づかなかった。
ぎゅ、とエプロンの生地を握り締め、フィアンマは脚をすり合わせる。
寒いのではない。ただひたすら、恥ずかしいばかり。
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