過去ログ - 「大好きですよ、先輩」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:11:21.40 ID:MQWg0cbmo
血の味を嘔吐で全部吐き出すと、僕は第二体育館の日陰に座り込んだ。
第一体育館じゃないのは、もちろん見つからないようにするためだ。
別に僕を見つけようとする人なんていないのにもかかわらず、だけれど。

「……先輩、やっぱりここにいました」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:17:29.39 ID:MQWg0cbmo
「……先輩」

何も言わずにしばらく時間が流れて、その子が口を開く。
1時間経ったような気もするし、5分程度だったような気もする。
熱かった体もすっかり冷めて、喉はいつも通りに戻っているのに。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:25:33.31 ID:MQWg0cbmo
「……」

何も聞いてこなかった僕への、失望なのか。
彼女はそれから口を開くことは無く。
目線の先の分からぬ彼女の方を、僕は見れずにいた。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:28:39.42 ID:MQWg0cbmo
いつもの帰路、足音は二つ。
普通なら囃し立てられでもするのかもしれないが、この距離感では帰る方向が同じの二人としか見えないだろう。
別にそう見えて欲しいわけではないのだけれど。

「……」
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:30:07.15 ID:MQWg0cbmo
その日の夜は、僕なりに少し荒れた。
壁を殴ることはしない、物を壊すこともしない。
自分を壊すことすら出来ない僕に、壊せるものなんてありやしない。
だから僕は自己嫌悪する。
僕なんて、嫌いだ。


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/08(日) 20:05:35.43 ID:qKtWFbOBo
次の日、僕は部活へ行かなかった。
サボった事がないわけじゃないのだけれど、その日はいつもより罪悪感が酷かった。
自分なんていなくても、何か変わるわけではないのに。

「……先輩?」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/08(日) 20:28:32.51 ID:qKtWFbOBo
こんな時間に帰っては、親から何か聞かれるかもしれない。
心配してくれてるのは分かってるし、親として当然なのだろうけど。
今の気持ちで、素直に受け止めることは出来なそう。

「……先輩」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/08(日) 20:53:18.82 ID:qKtWFbOBo
謝罪の言葉と共に、彼女を離す僕。
なんだか凄く悪いことをしてしまったような気がして、気が動転して何を言ったかはよく分からない。
そんな僕に彼女はくすりと笑って

「……むしろ嬉しかったです、から」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/08(日) 23:16:58.74 ID:qKtWFbOBo
彼女はゆっくりと、じんわりと僕の中へと入ってきている。
今こうして風呂の中で天井を見上げている間にも、ふと視界の隅に彼女が浮かぶ。
告白を受けた時は、こんなことになるなんて想像もしていなかった。
頬が熱いのはきっと、湯気のせいだけではない。
結局、その日は寝るまで熱が取れずじまいだった。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/08(日) 23:25:31.71 ID:qKtWFbOBo
つづく


22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/10(火) 22:38:33.69 ID:gg5HFlPyo
これノンフィクション?


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