過去ログ - 「大好きですよ、先輩」
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:28:39.42 ID:MQWg0cbmo
いつもの帰路、足音は二つ。
普通なら囃し立てられでもするのかもしれないが、この距離感では帰る方向が同じの二人としか見えないだろう。
別にそう見えて欲しいわけではないのだけれど。

「……」
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 01:30:07.15 ID:MQWg0cbmo
その日の夜は、僕なりに少し荒れた。
壁を殴ることはしない、物を壊すこともしない。
自分を壊すことすら出来ない僕に、壊せるものなんてありやしない。
だから僕は自己嫌悪する。
僕なんて、嫌いだ。


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/08(日) 20:05:35.43 ID:qKtWFbOBo
次の日、僕は部活へ行かなかった。
サボった事がないわけじゃないのだけれど、その日はいつもより罪悪感が酷かった。
自分なんていなくても、何か変わるわけではないのに。

「……先輩?」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/08(日) 20:28:32.51 ID:qKtWFbOBo
こんな時間に帰っては、親から何か聞かれるかもしれない。
心配してくれてるのは分かってるし、親として当然なのだろうけど。
今の気持ちで、素直に受け止めることは出来なそう。

「……先輩」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/08(日) 20:53:18.82 ID:qKtWFbOBo
謝罪の言葉と共に、彼女を離す僕。
なんだか凄く悪いことをしてしまったような気がして、気が動転して何を言ったかはよく分からない。
そんな僕に彼女はくすりと笑って

「……むしろ嬉しかったです、から」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/08(日) 23:16:58.74 ID:qKtWFbOBo
彼女はゆっくりと、じんわりと僕の中へと入ってきている。
今こうして風呂の中で天井を見上げている間にも、ふと視界の隅に彼女が浮かぶ。
告白を受けた時は、こんなことになるなんて想像もしていなかった。
頬が熱いのはきっと、湯気のせいだけではない。
結局、その日は寝るまで熱が取れずじまいだった。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/08(日) 23:25:31.71 ID:qKtWFbOBo
つづく


22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/10(火) 22:38:33.69 ID:gg5HFlPyo
これノンフィクション?


23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/11(水) 01:44:18.11 ID:RtibuCWSo
その日も僕は、部活へ行かなかった。
誰にも何も言われなかったし、別に僕がいなくても支障が出ることもないだろう。
それでも拭い切れない罪悪感を抱きながら、隣へと視線を流す。
相変わらず表情が分からない彼女、一体何を考えながら僕の隣を歩くのか。

以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/11(水) 01:50:24.90 ID:RtibuCWSo
結論から言うと、僕の予想は間違っていなかったらしく。
彼女は辺りをキョロキョロとしながら、所在なさ気に歩を進めている。
楽しそうな声、イライラした表情、たばこのニオイ……
やっぱり得意には慣れそうにもない。

以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/11(水) 01:55:42.69 ID:RtibuCWSo
「……すいません」

休憩スペースとはいえ、所詮はゲームセンター内。
騒音は和らいでいてもなくなるわけじゃない。
ミネラルウォーターを飲みながら謝罪する彼女の声色には、いつも以上に力が感じられず。
以下略



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