24: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:24:59.36 ID:g5646tB80
彼の顔と携帯画面を交互に見る。はっきり言って怪しいことこの上ない話だ。
だけど私は彼の言っていることに嘘はない、嘘を吐いている目じゃない。そう感じていた。
何故かと聞かれても、はっきりと答えることはできない。言ってしまえば、直感なのだから。
「は、はい。ちゃんとした事務所ってことは分かりました。あれ? ってことは……」
25: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:27:11.58 ID:g5646tB80
「落ち着いたかな?」
「は、はい。すみません。ご迷惑をおかけして」
「仕方ないさ。急に言われたら誰だって驚くよ」
26: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:29:46.26 ID:9Oq90F5Q0
「……と来たから」
「へ?」
「ティンと来たんだ! 小日向さんならトップアイドルになれるって!!」
27: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:32:19.39 ID:Qx3+Qw4p0
私の名前は小日向美穂、16歳。12月16日生まれのO型、特技を聞かれても思いつかないような、何のとりえもない普通の女の子。
恥ずかしがり屋で、緊張しいで不器用で気弱で。
歌って踊るアイドルたちの姿をテレビの前で見ている方が似合っているのに。
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/14(土) 00:32:36.93 ID:nJpnLZNDO
まさかのリメイク
前作、終わってからだけど楽しくというか涙腺崩壊しつつ読んだだけに
期待!せずにいられないッ!
29: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:33:01.69 ID:9Oq90F5Q0
私も、彼女たちのように輝けるのかな? 自分に自信を持てるようになるのかな?
「大丈夫、君は変われる。どんな理想も叶えられる。世界だって変えることが出来る! 魅力がないというなら、見つけていけばいいさ。小日向さんにしか出来ないことは絶対ある。それを一緒に探して行きたい」
彼は心を、全てを私にぶつけてくる。
30: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:43:34.62 ID:FzQihlPd0
――
ティンときたその直感を信じろ。一体何のことか分からなかったが彼女に出会った時、身を持って体験した。
体に電撃が走る、と言えばいいのだろうか。彼女が言ったように、もっと可愛い子はいた。綺麗な子もいた。
31: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:45:33.68 ID:9Oq90F5Q0
「そうと決まれば、親御さんに説明しないとね。小日向さん、ご両親は何時ごろに揃う?」
「えっと、お父さんの仕事が17時ごろに終わるから……。家に着くころには帰っているかと思います」
「さてと、気合を入れてかからないといけないな。なんせ目に入れても痛くないぐらい可愛い娘さんを預かるんだ。覚悟を決めないと」
32: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:47:39.46 ID:97eMtu660
「えっと、私の家ここです」
バスから降りて、少し歩くと小日向と書かれた表札を見つけた。どうやら彼女の家はここらしい。
――懐かしいな。そう心の中で呟く。
33: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:49:34.05 ID:9Oq90F5Q0
「ちょっと待った」
「へ?」
俺が呼び止めると、彼女はキョトンとした表情で俺を見ていた。彼女に近づいて、頭に付いたままのそれを取る。
34: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:51:11.93 ID:CqPhwtAx0
なんせ彼女との最初の思い出なのだ。なんとなくだけど、取っておきたいと思えた。
使い道を聞かれると困るが、スケジュール帳のしおりなんかにちょうどいいかも知れない。
「え、えっと。き、気を取り直して。呼んできますね?」
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