9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:39:42.94 ID:mMrPH74Do
「ところで、今日は何をするつもりなんだ?」
おおよそ状況を理解した所で、次は未来へと予定を立てなければならない。
「……うーん、特に決めてないかな、なんて」
朝食が始まって十分程度経過した今、テーブルの上に珍しくたくさん置かれた皿の中の料理は少しずつ欠け始めていた。
そして同様に珍しく空腹な俺のためにご飯のおかわりをよそってくれた向かいに座る泉は、はい、と手渡すと同時に苦笑した。
どうやら嘘をついているようには見えず、今回の行動は本当に短絡的だったのだと理解する。
泉の隣の亜子はむしゃむしゃと美味しそうに朝ごはんを頬張るし、俺の隣ではさくらがデザートに用意されているフルーツをご飯と一緒に食べている。
これが計画された行動だとしたら、俺は彼女たちを落第せねばなるまい。
無論、俺の家にやって来る事自体は結果として計画的と言えなくもないが、恐らくちひろさんからはまさか三人が来ることを俺が知らないとは思っているはずがない。
そんなちぐはぐさを認識するやいなや、俺もつい笑ってしまった。
「まあ、そういうのも悪くないか。……でも、せっかくの休みによかったのか?」
ひんやりとした茶を胃に注いでひとまず一服すると、ふと俺は三人に訊ねる。
一応休み自体は無いわけじゃないが、それでも完全に仕事と切り離された連休が取れることなど滅多にないのだ、貴重な休日をこんな所に使ってもいいのだろうか、と思ってしまうのである。
しかし彼女達は一様に首を振り、そしてさくらが笑いかけた。
「いつもお世話になってるプロデューサーさんのためなら、お休みいーっぱい使っちゃいますよっ」
箸をおいて握りこぶしを作り、ふん、ふんと俺の目の前で上下させる。一見意味の分からない行動だが、どうやら彼女なりにアピールをしているようだった。
「さくらの言う通りやで。したくてしてるんやから、気にしたらあかんってな!」
一生懸命伝えようとするさくらを見て、亜子がはは、と笑ってから代弁する。
これが嫌々させているようなら俺は悪人と言うべきものなのだろうが、一生懸命付き合ってきたからだろうか、それなりに信頼してくれているようだった。
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