過去ログ - 泉「未来へのテトラード」
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8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:38:14.66 ID:mMrPH74Do
 まさか、そんなはずは。

「他の子の中でも勘の良い子は心配していたぐらいですから、相当でしたよ。それでまあ、ちょっとしたサプライズを、ですねっ」

 少し静まり返った調子を語尾では上げて朗らかに彼女は喋る。
以下略



9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:39:42.94 ID:mMrPH74Do
「ところで、今日は何をするつもりなんだ?」
 おおよそ状況を理解した所で、次は未来へと予定を立てなければならない。

「……うーん、特に決めてないかな、なんて」

以下略



10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:41:13.85 ID:mMrPH74Do

「そうだ、Pはどこに行きたい?」
 二人の笑顔を見て俺も気を許し始めた頃合い、小さく盛られた自分の分の料理を平らげた泉が突然俺に訊ねてきた。

「どこに行きたい、って言われてもなあ」
以下略



11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:43:58.45 ID:mMrPH74Do


  *


以下略



12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:46:25.41 ID:mMrPH74Do
 出遅れた泉とさくらは笑って謝りつつ、俺達の後を追っている。

 この雰囲気が、最近ではどことなく好きになっていた。
 適度な近さ。ずっと独り身で仕事をしていた俺にとって、彼女たちの担当というのはある意味賃金以上の何かなのかもしれない、と引きつられながら俺はふと思った。

以下略



13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:46:58.19 ID:mMrPH74Do
「プロデューサーの癖にわかってないなあ。みんなずっとPちゃんと一緒やから、こんな時間が楽しいんやろ?」

 そういうものだろうか?
 ここまで紆余曲折を経てきたが、決して男性的に素晴らしいアピールをしてきた事は一度もない。

以下略



14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:48:42.64 ID:mMrPH74Do

 *


「はは、これだと俺の家が便利になっていくな」
以下略



15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:50:40.99 ID:mMrPH74Do

「……みんな、大丈夫か?」
 誰しもがいつかは親元を離れる。だが、いくら個人差があるとはいってもこの年で一人離れて仕事をこなすことまで普通だとは思いたくない。
 だから、つい口にしてしまったのである。

以下略



16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:52:05.74 ID:mMrPH74Do

「でも泉の言う事と大体同じよ。この年で親元離れてるけど、Pちゃんがいるなら寂しくはないみたい。最初は違ったけどね」

 最初というのは恐らくデビュー前後の時だろう。
 あの時は俺も不慣れであったし、彼女たちも全く別世界へ踏み込んだばかりだったから失敗も多くて不安だったに違いない。
以下略



17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:52:59.01 ID:mMrPH74Do

 どうしてだろう、と俺も思う。

 いつからなのかということすらも覚えていないことを訊かれても答えようがないのだ。
 仕事が単調になってきたからだろうか。プロデューサー業に飽きが来てしまったからだろうか。
以下略



18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:54:27.32 ID:mMrPH74Do

「いや何、ちょっと勝手に親心を感じてただけだ」
「ふふ、何それ」
 泉が俺の言葉に反応して笑みを漏らす。

以下略



19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:56:28.36 ID:mMrPH74Do

  *


「たっだいまー。あー、疲れた」
以下略



20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:00:21.23 ID:mMrPH74Do


 しかし、時は突然に変化の軌道を描く。


以下略



21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:04:12.22 ID:mMrPH74Do

 そして、それはアイドルにとっても言える。
 ニューウェーブといえば、最初から綺麗に舞い、数多のファンに歌声を届けられていたわけではない。

 デビュー前は本人たちの戸惑いや不安もあって中々芽がでず、華々しい他のアイドルの映像を見ながら、自分たちは閑散とした商店街で商品の宣伝をしていることもあった。
以下略



22:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:05:50.17 ID:mMrPH74Do

 言われれば言われるほどますます訳が分からなくなる。

 誰しも成長すれば独りでに歩く。それが当たり前であるはずなのに、さくらどころか亜子までもそう言っているのだ。
 一応彼女たちの担当である手前、どうしかして答えを探そうと必死で過去の記憶や教訓をほじくりだすが、この広い言葉の海では正解を見つけることはとうとうできなかった。
以下略



23:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:11:24.52 ID:mMrPH74Do

 そして連れて来られたのはキッチンカウンターの向こうであった。
 そこはカーペットとローテーブル、そしてソファとテレビが置いてあるリビングのような場所である。
 ここは最初さくらと亜子が帰ってくるやいなやソファでくつろいだり、その後泉が交代するようにソファに座ったりしていた。

以下略



24:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:13:12.39 ID:mMrPH74Do

 話の流れで言えばよくわかる。

 恐らく俺と亜子、そしてさくらがキッチン側で作業をしている間、泉が別行動でこのラックを組み立てていたのだろう。
 しかし感ずるべきはそこではなく、もっと大本のところである。
以下略



25:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:18:41.07 ID:mMrPH74Do

 そういえば、先程キッチンで彼女は確かこう言った。

 ――もしそうだったら、みんな成長しなくなる。

以下略



26:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:20:04.45 ID:mMrPH74Do

「……変わったなあ、お前たちも」
 不意に俺は呟いてしまう。

 かつて彼女たちは、不安に揺れ動いていたり、やる気が空回りしていた時があった。
以下略



27:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/01(水) 21:20:57.12 ID:mMrPH74Do
三人のメダルSR記念にという当初のネタから飛びに飛んで今頃という……ごめんよ、ニューウェーブ。

お疲れ様でした。


28:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/01(水) 21:31:30.95 ID:ak+UFZZ2o
おつかれー

なかなかよかった


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