過去ログ - 解体された艦娘の話
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11: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/01(水) 23:41:51.97 ID:a9ZPEh6eo
 そこまで語って、彼は話をやめた。
 ただわたしのことを見ている。
 彼の無関係な話がなにか良い方向に働いたのか、わたしの虚脱感はいつの間にか、薄れていた。

 十数回の呼吸をしてから明確な発音で、
以下略



12: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/01(水) 23:45:58.73 ID:a9ZPEh6eo
 それからわたしは、困惑する男に一方的に別れを告げてアパートに戻った。

 解体の提案を拒まなかった理由は、まだ思い付きそうにない。


13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/02(木) 00:46:52.51 ID:n+rzJNGF0
面白そう


14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/02(木) 03:39:36.70 ID:juh5aKBK0
期待


15: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/02(木) 22:56:57.44 ID:h+WQEfwyo
01月02日

「新しく越してこられたの?」
 今日の朝、アパートを出たところで声をかけられた。
 ええ、と頷くと彼女は「やっぱり」とはにかんだ。
以下略



16: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/02(木) 23:54:11.06 ID:h+WQEfwyo
 わたしたちは、彼女の部屋で話をした。
 部屋の感じを見る限り、結婚しているわけではないように見えた。
「セメント工場で働いてるの」
「工場は近くですか?」
 まだこの辺りの地理には疎くて、見た覚えがなかった。
以下略



17: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/03(金) 00:14:40.52 ID:agT1hS0To
「燃料と弾薬?」
 言葉をおうむ返しにして、彼女は首を傾げた。
「じゃあもしかして……」
「ええ」
 きっと想像通りだ。
以下略



18: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/03(金) 00:23:35.58 ID:agT1hS0To
「この街の居心地はどう?」なんてことも尋ねられた。
 まだ分からない、と答えるつもりだった。
 実際は、分からないどころか、居心地の良し悪しを考えたこと自体がなかった。
 なのに口は「良いですね」と唱えていた。
 バランスが取れていない。
以下略



19: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/03(金) 00:36:14.39 ID:agT1hS0To
 仕方なしに、部屋に戻る。
 部屋は閑散としていて、少し寂しい。
 なにかが足りない、という間隔がわたしの身体につきまとっている。
 缶も魚雷も連装砲もないが、足りないのはそれだけではない

以下略



20: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/03(金) 01:24:51.09 ID:agT1hS0To
 床が冷たくて気持ち良い。
 その気持ちよさに惹かれて寝そべると、気持ち良いのを通りすぎて、少し寒い。

 なにをする気にもなれなくて、わたしはそのあとの今日一日を、寝て過ごした。


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