34: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/05(日) 01:55:01.50 ID:vTLwVfM7o
01月04日
昨夜、いつ寝たのか思い出すことが出来ない。
昼にうたた寝をして、夢を見たのは覚えている。
そのあと起きて、日記を書いて、その途中で意識が途絶えた。
35: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/05(日) 02:11:35.10 ID:vTLwVfM7o
「ああ」男は少し驚いたようだった。「今日ははじめから話してくれるんだ」
サービスのつもりで、少し微笑んでやる。
「この辺りに用でもあったの?」
不思議なことに、口を出た言葉は敬語ではなかった。
知って間もない男にそういう口のきき方をするのは、わたしには珍しいことだったはずだ。
36: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/05(日) 02:39:32.71 ID:vTLwVfM7o
彼はいくつかの場所を案内した後に、公園へわたしを連れてきた。
やや大きな敷地を持つ公園で、話によるとここは、過去には兵士の射撃訓練場にもなっていた、とのことだった。
「だからこの辺りの土壌は鉛汚染の影響がちょっと残ってるらしいんだ」
「射撃訓練だけで鉛汚染されたりするものなの?」
「さあ。もしかすると他のものも色々あったのかもな」
37: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/05(日) 03:09:40.67 ID:vTLwVfM7o
公園の敷地の半分ほどは、小高い丘になっている。彼が向かうのは、その丘の頂上のようだった。
頂上にはなにかのモニュメントらしきものがあった。
大きさは、大人ひとりが直立したのと同じくらいの高さと幅。
「いつだったか語学の先生に聞いたんだけどさ、この――」
彼がモニュメントについてなにか説明しようとしたときだった。
38: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/05(日) 03:17:28.27 ID:vTLwVfM7o
文字通り、その場所は底だった。
この世界で一番深いところ。
わたしは、いつ閉じたか分からない瞼を開いた。
あたり一面、闇に覆われていた。
いや、正確な表現じゃない。
39: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/05(日) 03:20:48.75 ID:vTLwVfM7o
酷く遠い距離だが、わたしが身にまとう五感のセンサは、彼女の存在を明確にとらえた。
当たらなければどうということはない、ともう一発飛んできたなにかを避けて、接近する。
身体が軽かった。
今、わたしはあるべき形をしているはずだ、と確信した。
距離が近づく。
40: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/05(日) 03:22:57.29 ID:vTLwVfM7o
窓と、床と、敷布団があった。
わたしは布団の上で、片方の膝を抱えて座っていた。
いつ夜になったのか、記憶になかった。
なにかがおかしかった。
41:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/05(日) 09:28:22.57 ID:3DIk/B+q0
やめろスレタイできっついわ
42: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/06(月) 05:12:34.76 ID:na0X7AYCo
01月05日
今日は一日中、家にこもっていた。
なのにわたしは、同時に海に存在していた。
ただの夢にしては、身体が重い。
43:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/06(月) 08:15:14.10 ID:+HHnHPaX0
さてどうなる
44: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:20:12.14 ID:lzpX9+avo
01月08日
何日か、帰ることが出来なかった。
久しぶりの家だから、一応、また日記に記しておこうと思う。
あとになって忘れるのは良くない。
45: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:21:28.67 ID:lzpX9+avo
「うちに妹がいるの」
脈絡もなく、彼女はそう言った。
「そうだったんだ」
「で、前に妹が変な構えなんかして、艦娘さんの真似ぇ、なんて言ったの。それを見てなぜかわたし、頭にきちゃって、つい叱っちゃったんだ。やめろ、って」
彼女が、やめろ、と口にするところを想像してみた。
46: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:22:33.04 ID:lzpX9+avo
「普通の人に戻ってからの生活。どう?」
「ああ」
「さほど良くない?」
「分からない」
「夢を見たりは?」
47: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:23:49.73 ID:lzpX9+avo
「夢でわたしは魚雷を撃ってるの。
いつだったかの戦いみたいに、なにも考えずに、ただ目の前の敵のことだけを考えて。
それはとても気持ちよくて――」
その通りだ、と思った。
その瞬間に彼女の声がどこか遠くに追いやられて、わたしは夢に落ちた。
48: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:24:29.96 ID:lzpX9+avo
それはいつか彼女が言っていたセリフだった。
場面は違えど、内容は同じ。
戦闘中、夢中になりすぎて意識が消える、という話だった。
意識が消えても、わたしは戦い続けることが出来る――不知火は以前、わたしにそう語った。
「わたしたちは終わった方がいい」
49: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:24:55.63 ID:lzpX9+avo
さっき落ちかけた夢にもう一度落ちて、わたしは海を進んだ。
先ほどの敵はもう、海の底へ落ちただろうか。
わたしはなにをしているのだろうか。
なんのために、わたしは敵を落としたのだろうか。
自由のためだろうか。
50: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:27:42.07 ID:lzpX9+avo
目が覚めたときには、わたしは病院にいた。
付き添いに、見たことのある顔がいた。
幼なじみに似た顔だった。
彼は、散歩中に倒れてる君を見つけた、とのことだった。
わたしが艦娘になる前に、よく馴染んだ顔だった。
51:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/09(木) 07:48:27.81 ID:p1P+dwko0
この娘は復帰せんと
ヤバイんでないか
52:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/09(木) 09:39:54.84 ID:LBJB/8M3o
復帰させんとランボーになってまうで…
53:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/09(木) 14:03:57.50 ID:E53ZTskio
不知火ってこんな子だったっけ……
54:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/26(日) 00:48:13.70 ID:s3a3XN9B0
待ってるです。
54Res/21.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。