過去ログ - 真姫「とある夏の日の思い出」
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7: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:36:26.68 ID:BnZpgpRg0
小学生には重すぎる現実。

その答えが浮かんだ時、私の額には気持ちの悪い汗がにじんでいた。

立っているだけで鼓動が早まっていく。
以下略



8: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:37:16.09 ID:BnZpgpRg0
数年前、自分に微笑みかけてくれたおじいさんは去年亡くなった。

家族と楽しそうに会話していたおばさんは、入り口の札の名前が消えて見舞いが途絶えた。

人がいなくなるということがどういうことかわかっていた。
以下略



9: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:38:39.22 ID:BnZpgpRg0
見えたのは自分よりも小さな女の子。

「ふんふふーん♪」

備え付けのテレビにイヤホンを繋げ、映像が動く度に楽しそうに肩を揺らしている。
以下略



10: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:39:16.09 ID:BnZpgpRg0
「……ん?」

闖入者の存在に気づいたらしい彼女は、首をくるりと回して暖かい眼差しを自分に向けた。


以下略



11: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:41:17.88 ID:BnZpgpRg0
思えばどうして死んでいるという答えが出たのか、今の私にはわからない。

きっと気が滅入っていたのだろう。

大人になろうと背伸びしていた私は、いつの間にか暗い考えしか思いつけなくなっていたのかもしれない。
以下略



12: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:43:18.16 ID:BnZpgpRg0
「バカねー、入り口の名前が消えてるなら退院したってことよ」

私よりも小さな体躯で鈴を転がしたように笑う彼女。

初めてそんなことを言われた。
以下略



13: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:44:05.55 ID:BnZpgpRg0
何でもできる、賢いんだから。

そう言われ気分をよくしていた私の小ささを思い知るほどに、彼女はあらゆる分野においてたくさんの物事を知っていた。

年下にしか見えない背丈からは想像もできないことだ。
以下略



14: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:44:54.84 ID:BnZpgpRg0




「ねぇ、どうしてなまえおしえてくれないの?」
以下略



15: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:46:21.74 ID:BnZpgpRg0
「いい? 有名人の友達って嘘つく人もたくさんいるのよ?」

まるで諭すように私に語りかける。

「あんたは素直な子だから、嘘つきだと思われたくないの」
以下略



16: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/14(火) 21:47:38.40 ID:BnZpgpRg0
「まあその頃には私のことなんか覚えてないでしょうけど」

私はそんな彼女の言葉を聞いて、本気でアイドルを目指しているのだとはっきり理解した。

それは少しおかしくて、それに彼女ならアイドルになれる気がした。
以下略



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