13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:03:32.33 ID:M1p+iqog0
「今ほど充実してなかっただろうとは思うけど、もっと意外な幸運を掴んでいたかもしれない。それは、誰にも分からないことだから」
「……うん」
「加蓮の悩みとは、少し性質が違うかもしれないけどな。でも、最初そういう態度でアイドルに向き合っていた加蓮だからこそ、見えている世界があるかもしれないだろ?」
一度、この世界に打ちのめされた俺だから、加蓮の焦りも分かる気がする。
14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:04:21.39 ID:M1p+iqog0
「ね、Pさん」
「ん?」
その沈黙を破ったのも、やはり加蓮だった。
15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:05:31.58 ID:M1p+iqog0
「違うけど、言葉にすると同じことってあるだろ?」
「どう違ったの?」
「……黙秘」
それを言葉にするのが気恥ずかしい、というのが半分。そもそもうまく言葉にできない、というのが半分。
16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:06:16.30 ID:M1p+iqog0
「……そりゃ、当然知ってる。実際に挨拶にも行ったんだからな」
「この間、凛が作ってもらうって話を聞いて奈緒と調べてみたんだけど」
加蓮は調べた時の事を思い出したか、やや口元を歪ませながら言う。
17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:08:21.01 ID:M1p+iqog0
「ちょっと、羨ましくなる時があるんだ」
「肇がか?」
「うん。なんか、違う世界に生きてるみたいで」
「おいおい、アイドルが何を言うか」
「ふふ、そうだよね。でも、肇ってここ一番で出す雰囲気……オーラって言うべきかな。それが凄いから」
18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:09:14.58 ID:M1p+iqog0
「……なんて、仕事前に随分説教臭くなってしまったな。悪い」
「ふふ、良いよ。Pさんの言いたいこと、ちゃんと分かるから」
いつの間にか、加蓮の目に輝きが戻っている。自分を、今を信じる、綺麗な目。
19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:10:05.96 ID:M1p+iqog0
「あとね、羨ましいって思うのは、もう一つあるんだ」
「うん?」
「湯呑」
そして、曇らない目のまま、だけどどこか照れたように はにかんだ加蓮は、
20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:10:49.48 ID:M1p+iqog0
「……うん!」
俺の言葉の意味をしばらく考えていたらしい加蓮が、やがて力強く頷く。
21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/01(土) 16:13:17.13 ID:M1p+iqog0
終わりです。
お目汚し失礼しました。
22:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/01(土) 17:18:14.43 ID:TozIosOgo
乙
23:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/01(土) 17:23:21.12 ID:wU/O2q1to
渋谷凛(15)
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北条加蓮(16)
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