過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その3【土方×もっさん】
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463:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 20:58:01.24 ID:x46p11Kt0
こつ、こつ、こつと私の足音だけが人気のない廊下に反射する。
今頃ウィッチの皆様は明日の作戦発動に備えて睡眠をとっていらっしゃることであろう。
私は日課となっている夜の見回りを行っていた。
いつもならば隣に坂本少佐のお姿もあるのだが、作戦発動前に出来るだけ休息をとっていただきたいと少佐に強硬に申し出て一人での見回りとさせていただいた。
昼間のブリーフィングルームで少佐がつぶやいた「11人、か……」という一言。
以下略



464:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 20:58:59.96 ID:x46p11Kt0
「どうされたのですか?明日の作戦に備えて早く休むようにということでしたが」
「……何だか寝付けなくて」

そういっていたずらっぽく小さく舌を出す宮藤さん。
大きな作戦の前に興奮して寝付けなくなると言うのはよく分かる。
以下略



465:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 21:00:16.38 ID:x46p11Kt0
「申し訳ありませんが、宮藤さんは明日の作戦に向けてゆっくりお休みください」
「…………そう、ですか」
「お部屋までお送りします。それまでお話に付き合っていただけますか?」
「はいっ!」

以下略



466:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 21:02:32.20 ID:x46p11Kt0
「坂本さん、大丈夫でしょうか」

歩き出してすぐ、宮藤さんが口を開く。
先ほどまでの自分の内心を言い当てられたようで、思わず立ちどまった。
そんな私に正面から視線を向けつつ、宮藤さんは話を続ける。
以下略



467:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 21:03:32.22 ID:x46p11Kt0
(誰でしょう?)
(少なくとも外部の人間ではないでしょうが…………)

曲がりなりにも軍事施設であるここに外部の人間が入り込めるとは考えづらい。
宮藤さんと一緒に、私は入口からドアを覗き込んだ。
以下略



468:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 21:06:49.55 ID:x46p11Kt0
(坂本さん……)
(少しお待ちください)

格納庫に入ろうとする宮藤さんを押しとどめる。
坂本少佐の性格からして、このような姿を宮藤さんには見られたくないであろう。
以下略



469:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 21:08:50.41 ID:x46p11Kt0
(……ミーナさん?)

近づくにつれ、地面の上に寝転がる坂本少佐のそばに立つ人影の正体が明らかになる。
それは間違いなくミーナ中佐であった。
思わず足が止まる。
以下略



470:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 21:10:50.78 ID:x46p11Kt0
(少佐……)

あの少佐が。
いつも豪放磊落で、愉快そうに笑い声を上げていた少佐が、これほどの鬱屈を抱えていらっしゃったとは。
そして、誰よりも少佐のお側にいながら私はそのことに気づいて差し上げることすら出来なかった。
以下略



471:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 21:13:02.88 ID:x46p11Kt0
「……久しぶりだな、土方兵曹」
「このような時間の訪問いたしました失礼をまずお詫びいたします」
「なに、私も明日に向けてやることが多くあってな。今日は徹夜だと覚悟していたところにいい気分転換になった」

深夜の訪問にもかかわらず一分の隙もなく制服を着こなしているその方はそう言って笑う。
以下略



472:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2015/07/08(水) 21:15:27.73 ID:x46p11Kt0
「では…………乾杯!」
「乾杯!」

グラスをかちん、と合わせ、そのままその琥珀色の液体を一気に呷る。
胸を焼くような厚い塊が食道から胃へと降りていくこの感覚には、おそらく生涯慣れることは出来ないであろう。
以下略



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