過去ログ - 梓「経線上のアリア」
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21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:56:08.16 ID:kVbbRwGOo

 市道を歩きながら、私たちはそれぞれの五日間について四方山話を交換した。

 滞在中も眠る前にはメールを重ねたから、新しい話はほとんどなかった。
 向こうの日中がこちらでは真夜中だったりで、
以下略



22:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:56:35.06 ID:kVbbRwGOo

 通りの交差点で、私たちは別れる。

 ちょうど市と市の見えない境目があって、
 信号の向こうでセブンイレブンの看板が光っている方が唯先輩の住む町だ。
以下略



23:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:57:01.90 ID:kVbbRwGOo

「その番組、来年春には終わるらしいですよ」

「じゃあ次なにやるんだろう」

以下略



24:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:57:33.01 ID:kVbbRwGOo

 私に向けられた言葉だと思えず、続きを待った。

  あずにゃん、私、小学校の頃からずっとこの道を通ってきたんだよ。
  せんぱいってそこの西中でしたよね。
以下略



25:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:57:59.77 ID:kVbbRwGOo

 青になった。
 先輩も動かなかった。

「私、つらかったんだよ」
以下略



26:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:58:26.38 ID:kVbbRwGOo

 唯先輩がいう。

「今日だって、今度こそ私がクレープ代出すって決めてたくせにさ」

以下略



27:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:58:54.71 ID:kVbbRwGOo

 じゃあ、またね。
 唯先輩が完全に手を離した。
 その手を振って横断歩道を渡り始めた。
 そろそろ信号が点滅しだす頃で、少し小走りに。
以下略



28:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:59:21.36 ID:kVbbRwGOo

 九月にしては冷たすぎる風が交差点から私の頬をかすめたとき、
 一ヶ月くらい前、
 先輩が私を恋人にした時のことが頭をすり抜けた。

以下略



29:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:59:48.10 ID:kVbbRwGOo

 私はブランコに腰掛けていて、
 八月の夜、
 寒くもないのに足が震えそうで、
 食べ終えたクレープの包み紙をくしゃくしゃに握りしめたりして、
以下略



30:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 01:00:14.70 ID:kVbbRwGOo

 私は駆け寄って先輩の腕をつかんだ。
 目を見開く先輩、口もぽかんと空いてる。

 歩行者信号の緑が点滅し終わる直前、
以下略



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