1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:02:18.14 ID:2XKtwCeO0
ここは何もない所だ。
あなたが初めて私、藤原肇を東京に連れてきた時に言った言葉です。
辺りに立ち並ぶ高層ビルにも、見渡す限り一面の人の群れにも、本当に辟易した様子でポツリとそう零しました。
ですが、あなたはそう言った時に、しまったという風な表情で私を見ましたね。
それはそうだと思います。だって、私をこの東京に連れ出した張本人でしたから。
この町で夢を掴むのだと… トップアイドルになるのだと、片田舎から私を連れだしてきた人間の言うべき言葉ではないと自覚していたのでしょう。
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2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:05:43.33 ID:2XKtwCeO0
「余計な事を言ってしまったな。忘れてくれると嬉しい」
3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:09:21.27 ID:2XKtwCeO0
あなたが何もないと言った町の一角に、その建物はありました。
4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:12:47.23 ID:2XKtwCeO0
「まぁ、見た通りさ。あまり売れているプロダクションではないんだ」
「そんな風には…」
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2014/03/08(土) 14:15:44.91 ID:2XKtwCeO0
「じゃあ、改めて自己紹介からでいいかな」
「ええっと、あのままでいいのでしょうか…?」
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2014/03/08(土) 14:20:43.43 ID:2XKtwCeO0
「それで、藤原さん… ええっと、肇でいいのかな?」
「はい。肇と呼んでください。嫌でなければ、ですが」
7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:29:19.86 ID:2XKtwCeO0
「で、真面目な話に戻すとだな」
8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:38:53.19 ID:2XKtwCeO0
「…不安にさせちゃったかな?」
「あ、いえ… 少しだけ」
9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:40:09.85 ID:2XKtwCeO0
あなたが何か言いかけたとき時、軋んだ音を立てて事務所の入り口の扉が開きました。
10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:41:10.78 ID:2XKtwCeO0
「もうっ、だらしないんですから… あれ? そちらの方は?」
11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:51:24.62 ID:2XKtwCeO0
私は高いトーンで声を上げてしまいました。誰だって驚いてしまうと思います。
だって、二人しかいない、と言う事は。
12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 14:52:36.12 ID:2XKtwCeO0
「………ふふ」
「え? 肇?」
13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 15:02:56.10 ID:2XKtwCeO0
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それからの日々はそれはもう大変でした。
14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 15:03:54.27 ID:2XKtwCeO0
勿論最初は抵抗がありました。
でもプロデューサーは言いました。
15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 15:07:47.68 ID:2XKtwCeO0
藍子さんは、割と仕事が入っているようで、一緒にレッスンをしたことはありませんでした。
プロデューサー曰く、しっかりしているし俺が見なくても大丈夫だろう、と。
16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 15:09:47.68 ID:2XKtwCeO0
「肇ちゃんが来てから、プロデューサーさんは明るくなりました」
「そうなんですか…?」
17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 15:10:58.54 ID:2XKtwCeO0
はっとして藍子さんの方を向き直った時、藍子さんは既に背を向けて歩き出していました。
藍子さん。
18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 15:12:30.91 ID:2XKtwCeO0
………何はともあれ、下積みの日々を歩みながら、私とプロデューサーはより良い方に向かっていました。
私にも少しずつですが、仕事が入るようになりました。
19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 15:15:04.43 ID:2XKtwCeO0
私と藍子さんの二人だけだった所属アイドルでしたが、今ではかなりの人数が居ます。
人数が増えたおかげで、引っ越しをしようかと言う話も持ち上がっています。
20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 15:16:33.25 ID:2XKtwCeO0
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