61:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:17:06.57 ID:TlJ/t+Bb0
肝心の春香は肩を落としたままだ。
「春香……」
62:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:19:43.99 ID:TlJ/t+Bb0
「ふっふふーんふーんふーん」
夜道に木霊する春香の鼻歌。
63:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:21:15.75 ID:TlJ/t+Bb0
独り暮らしを始めてまだ数ヶ月だけど、この生活にも慣れてしまった。
家を出るときには煩雑な手続きも必要だったけれど、それが終われば普通の生活と変わらない。
64:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:23:09.01 ID:TlJ/t+Bb0
空を見上げると無数の星が見える。
周囲より一際明るく輝くものもあれば、照らされた光でやっと存在が確認できる星もある。
65:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:24:01.55 ID:TlJ/t+Bb0
二人で一緒に歩いているものの、会話は長く続かない。
一方的にプロデューサーが話し、私が無関心に返すだけ。
66:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:26:48.80 ID:TlJ/t+Bb0
私の夢?
大舞台で多くの人たちに私の歌を聴いてもらうこと?
67:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:27:50.48 ID:TlJ/t+Bb0
「まあ夢を聞かせてくれって言ったって、なかなか口には出せないよな」
私の無言をどう受け取ったのか、プロデューサーは自分で結論を出す。
68:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:29:10.72 ID:TlJ/t+Bb0
私は立ち止まる。
プロデューサーは数歩歩いて振り返る。
69:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:30:13.86 ID:TlJ/t+Bb0
「千早の歌はもう一流歌手にも引けを取らない。アイドルとしても素質も十分だ。でも何か大切なものが足りない気がするんだ」
睨みつける私の視線から逃げるように、プロデューサーは後ろを向く。
70:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:32:20.94 ID:TlJ/t+Bb0
一瞬、思考が止まった。
それは私たちにとってはごく当たり前で、目指すべき一番の夢。
71:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:33:16.20 ID:TlJ/t+Bb0
「じゃあ俺はここで失礼するよ」
マンションの入り口までたどり着くと、プロデューサーは私たちに軽く手を振る。
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