68:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:29:10.72 ID:TlJ/t+Bb0
私は立ち止まる。
プロデューサーは数歩歩いて振り返る。
69:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:30:13.86 ID:TlJ/t+Bb0
「千早の歌はもう一流歌手にも引けを取らない。アイドルとしても素質も十分だ。でも何か大切なものが足りない気がするんだ」
睨みつける私の視線から逃げるように、プロデューサーは後ろを向く。
70:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:32:20.94 ID:TlJ/t+Bb0
一瞬、思考が止まった。
それは私たちにとってはごく当たり前で、目指すべき一番の夢。
71:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:33:16.20 ID:TlJ/t+Bb0
「じゃあ俺はここで失礼するよ」
マンションの入り口までたどり着くと、プロデューサーは私たちに軽く手を振る。
72:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:34:33.40 ID:TlJ/t+Bb0
「お邪魔しまーす」
私の初めての来客は、深夜に小声でそう言って足を踏み入れた。
73:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:35:47.16 ID:TlJ/t+Bb0
コップにお茶を入れて居間に戻ると、春香は上半身裸でいた。
「あ……ごめんなさい」
74:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:38:15.51 ID:TlJ/t+Bb0
シングルベッドに二人で横になる。
私も春香も細身ではあるけれど、シングルに二人となるとやっぱり狭さを感じずにはいられない。
75:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:39:33.83 ID:TlJ/t+Bb0
吐息が感じれる距離に春香がいる。
普段から寝付きだけは良い筈なのに、緊張しているのか中々眠れずにいた。
76:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:40:45.18 ID:TlJ/t+Bb0
不意に何かが私の髪に触れた。
俯いていた視線を上げると、春香が私の頭に手を乗せていた。
77:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:42:24.45 ID:TlJ/t+Bb0
春香は柔らかい微笑みで私を撫で続けてくれる。
しばらくそんな時間が過ぎたとき、前触れなく春香の手が止まった。
78:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/31(月) 00:43:34.70 ID:TlJ/t+Bb0
駅で見せた笑顔ではなく、今こうしている春香の笑顔が本心に思えた。
こんな時間にどうして来るのかと一生懸命考えた自分が馬鹿らしくなる。
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