1:黒猫
2014/04/16(水) 17:29:58.85 ID:FR+3sHQH0
『心はいつもあなたのそばに』
作:黒猫
1−1 かずさ 御宿 2/22金曜日
リポーター「こちら御宿駅前では、雪が本格的に降りだす前に帰宅しようと
する人々が増えてきました。
まだ雪は降り出してはおりませんが、
今にも降り出しそうな・・・・・・・・・・・。」
TVクルーが寒い中、放送に追われている。
ふだんならば、物珍しそうに眺める人が多いだろうが、雪が降り、
交通機関に影響があるかもしれないとあって、
立ち止まって場所占領するをTVクルーを
迷惑な訪問者であると思うものも少なくない。
みんな普段よりも早足でホームに消えていく。
一方、駅改札口から少し離れ、少し人が少ないところにいる二人を
気にする人物などほとんどいなかった。
それが、今注目の美人ピアニストであっても。
春希「お前が手を引けば、すぐに解ける。
お前は、どこへでも行ける。」
かずさ「・・・意地悪、言うなよ。
お前から、離してもらいたかったのに。」
春希「いや・・・だ。」
春希がやっと絞り出した声を聞くだけでも、自分の決心が揺らいでしまう。
本音を言えば、今すぐにでも抱きしめて、冷え切った体を、
そして、なによりも心を春希のぬくもりであたしを温めてほしかった。
それでも、
かずさ「あたしを、ふってほしかったのに、さぁ・・・。」
自分の本心とは正反対の言葉が続く。
春希「できるか、そんなこと・・・。」
かずさ「意地悪・・・。」
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:黒猫
2014/04/16(水) 17:31:58.92 ID:FR+3sHQH0
春希「どっちが、だよ・・・。」
春希は、自分から手を離してはくれない。
3:黒猫
2014/04/16(水) 17:32:47.33 ID:FR+3sHQH0
あぁーぁ・・・、帰りたくないな。
とういか、どこに帰ればいいんだよ。今、帰る場所を手放したばかりだしな。
・・・・そっか、ウィーンに行けばいいのか。
4:黒猫
2014/04/16(水) 17:33:48.78 ID:FR+3sHQH0
2−1 春希 御宿 2/22金曜日 同時刻
春希「・・・・っぁ。」
5:黒猫
2014/04/16(水) 17:35:49.37 ID:FR+3sHQH0
2−2 春希 成田空港 5年前
互いの体の感触を忘れまいと抱き合っていても、時間だけは過ぎ去る。
6:黒猫
2014/04/16(水) 17:36:18.98 ID:FR+3sHQH0
かずさ「仕方ないじゃないか。
どうしようもないじゃないか。
もう、会えなくなるんだから。
7:黒猫
2014/04/17(木) 08:37:54.38 ID:I4UZy/tB0
2−3 春希 御宿 2/22金曜日
なんだよ、俺。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/04/17(木) 11:53:33.80 ID:QaZcNzzAO
WA2か
期待
9:黒猫
2014/04/17(木) 13:49:54.42 ID:I4UZy/tB0
一応完結して、別サイトで全てアップしてます。
「心はいつもあなたのそばに 黒猫」でググれば、ヒットすると思います
WHITE ALBUM2 SS まとめwikiに保管されてます
このサイトでは、誤字チェック・読みなおし作業をしながらの投稿と
他サイトでの感想を聞ければいいなと思ってアップしています。
10:黒猫
2014/04/17(木) 19:12:46.63 ID:I4UZy/tB0
2−4 春希 雪原 2/22金曜日 早朝
11:黒猫
2014/04/17(木) 19:13:44.71 ID:I4UZy/tB0
かずさがいる世界こそが自分のいる世界だと伝えたかった。
かずさこそが自分が帰る場所であると伝えたかったが、
12:黒猫
2014/04/17(木) 19:14:23.67 ID:I4UZy/tB0
必死の叫びが胸に突き刺さる。
かずさ「本当は、ずっとずっと、お前と一緒に二人だけの世界に
13:黒猫
2014/04/19(土) 17:03:26.41 ID:iJVM3aGg0
3−1 かずさ 御宿 2/22金曜日
春希を見送るために振っていた手が鈍くなる。
14:黒猫
2014/04/19(土) 17:04:08.36 ID:iJVM3aGg0
人だかりができ、自分の視界から春希が消えていくことで、かずさを現実に引き戻す。
それと同時に春希に駆け寄る。
雪で路面が滑りやすく、何度も転びそうになりながらも
15:黒猫
2014/04/19(土) 17:04:51.19 ID:iJVM3aGg0
春希「俺を一人置いて、遠くに行かないでくれよ。」
弱弱しく訴える春希を見ると、もう離せない気持ちでいっぱいだった。
16:黒猫
2014/04/19(土) 17:05:56.57 ID:iJVM3aGg0
曜子「もしもーし。どーしたのかなぁ?
旅行は楽しかった? それとも進行形?」
かずさ「今、どこにいる?」
17:黒猫
2014/04/19(土) 17:06:59.30 ID:iJVM3aGg0
電話にすがるが、返ってくるのは冷静な曜子の声だけだった。
冷静に考えれば、冷静な救援者ほど頼もしいものはいないが、
今のかずさにとっては、自分を突き放す冷たい人間にしか思えない。
18:黒猫
2014/04/19(土) 17:07:57.32 ID:iJVM3aGg0
タクシー乗り場の方を見ると、長い行列はできているが
それに対応するタクシーの数が足りなすぎる。
19:黒猫
2014/04/20(日) 07:14:13.80 ID:tezsN8W90
4−1 曜子 ホテル 2/22金曜日 夜
曜子「ほんっと、びっくりしたわ。
20:黒猫
2014/04/20(日) 07:16:12.81 ID:tezsN8W90
かずさ「ぅぅ・・・・・・・。」
小さく唸るだけで、言い返えそうもない。
曜子「あなたが道端で倒れている人を見かけても、
21:黒猫
2014/04/20(日) 07:16:42.79 ID:tezsN8W90
曜子「うーん、そっかぁ。
春希君、壊れかけちゃったのかなぁ。
なんでも一人で抱え込んじゃう感じだったし。」
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