133: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 00:59:20.08 ID:uoXohu1B0
『時は金なり』。
私は新聞部の手を取って能力を起動する。
途端、世界の構成要素が一斉に停止。喧噪やしがらみから遠く離れた別世界に、私たちは入り込む。
134: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:00:04.07 ID:uoXohu1B0
新聞部は臥せていた眼をそっとあげ、私を見た。
石か、駒か、ぱちんと鳴らす音が聞こえた。幻聴、のはず。
135: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:05:48.46 ID:uoXohu1B0
腕章「あたしが聞きたいのは二点。たったの二点」
腕章「能力。そして、どうして彩人に執着するのか」
136: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:06:17.54 ID:uoXohu1B0
だから私にこの生き様が宿り、能力が宿ったのだろう。
過去を買い戻すために。
腕章「あいつとの間に何かあった? ……ってわけでも、なさそうね」
137: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:07:33.94 ID:uoXohu1B0
しかし、と私は考える。
新聞部――「天網恢恢疎にして漏らさず」の能力は、やはりというべきか、予想通りの全知。彼女は学校範囲はカバー可能と答えていて、ならば当然私の仲間の侵入を知覚していないはずはないのだけれど、それを言うつもりはないらしかった。
どこまで行っても敵は敵、か。
138: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:08:22.95 ID:uoXohu1B0
一瞬眩暈かと思った。もしくは勘違いかと。
前後不覚を覚えて、足元が微動して、不安定さがそこに確かにあって。
微動はやがて鳴動へと変わっていって。
139: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:10:06.32 ID:uoXohu1B0
と、不意に力が抜けた。扉がスライドして大きな音を立てる。開いたのだ。
それは場にそぐわぬ幸運だったけれど、逆に怪しい。彩人の能力下で扉が開くということは、果たしてそれが不幸だという証ではないのか?
それでも仕方がない。崩落に巻き込まれるわけにはいかない。破壊的な音を響かせている背後から脱出し、廊下で膝をつく。
140: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:13:24.20 ID:uoXohu1B0
金髪「ったってよぉ!」
俺様はとにかく逃げ回っていた。一定の距離を保ちながら、迫りくる不幸をなんとか避け、もしくは超回復でやり過ごし、生き延びている。
近づけはしない。最初に近づいたときは廊下が水で濡れていて滑った。二度目は地震が起こって、三度目は蛍光灯が降ってきた。相手は何もしていないのに、だ!
141: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:14:03.09 ID:uoXohu1B0
彩人「そういう行為に一体どんな意味があるのさ」
彩人「運の奔流に立ち向かえると思ってるのかな」
142: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:14:32.38 ID:uoXohu1B0
金髪「ぐ、くぅ、がはっ」
必死に喰いしばるが空気は歯と歯の隙間からこぼれ出していく。だが、それよりもまず反転――転戦しなければ!
ていうか、なんでてめぇがここにいやがる!
143: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:16:18.65 ID:uoXohu1B0
「悪即斬」は依然として俺様への警戒を解かない。二対一の構図にはなんとかならずに済んだが、彩人と俺様のどちらかを狙うかと言えば、火を見るより明らか。
詰襟「問うぞオレンジ! お前は悪か!」
235Res/273.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。