178: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:05:50.08 ID:BKn3hKU/0
彩人「ははははははははっ!」
哄笑。
179: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:06:58.41 ID:BKn3hKU/0
会計「――ぐ、っ!」
左肩の肉が吹き飛んだ。涙が滲むがそれでも目の前は真っ直ぐに見続けている。
彩人が猟銃を構えてこちらに狙いを定めている。
180: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:08:33.26 ID:BKn3hKU/0
銃口が向いた。
会計「ちっ!」
181: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:10:10.03 ID:BKn3hKU/0
彩人は一瞬あっけにとられた顔をして、舌をぺろりと出した。
彩人「へぇ。あなた、そんな顔もできるんだ」
182: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:12:17.34 ID:BKn3hKU/0
意識が一瞬で遠のく。体内に響く形容しがたい不吉な音。身体のどこか大事なところが大変なことになってしまったと、一切の具体性は欠いた、けれど焦燥感だけは煽る音。
破壊力もまた尋常ではない。地面をきっちり踏みしめていたはずなのに、私の身体は弾丸によって遥か後方へと吹き飛ばされる。
背中から地面に落ちるが、その痛みよりもまずあばらの痛み。
183: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:13:19.05 ID:BKn3hKU/0
空気が震える。
弾丸は今度こそ私の命を奪いに来た。腹のど真ん中に風穴があいて、随分と風通しのよくなった私の体は、ついに言うことを聞いてくれない。
穿たれた部分から下がまるで私のものではないみたい。
184: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:13:46.49 ID:BKn3hKU/0
彩人「は」
彩人は笑った。口をぽかんと開けて、馬鹿みたいな顔をして、笑っていた。
私は知っている。人間、どうしようもなくなると、どうしていいかわからなくなると、笑うしかないんだってことを。
185: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:15:04.88 ID:BKn3hKU/0
彩人「今日は……」
そこで彩人はようやく気が付いたらしかった。
周囲が真っ暗であることに。
186: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:16:18.74 ID:BKn3hKU/0
いや――蓋を開けてみればもっと根本的なことを勘違いしていたようだけれど。
そもそも彩人の能力は「私たちを不幸にする」ことではない。その逆だ。
彩人の能力は「彼女を幸福にする」こと。
ゆえに、相対的に私たちに不幸が訪れる。
187: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:17:02.73 ID:BKn3hKU/0
手を彩人の首にかける。忘我の彼女はそこでようやく状況を理解し、全力で振りほどこうとしてくるが、まったく非力だ。それ以前に彩人が遮二無二になっている状況がなんだか滑稽にすら思えてくる。
彩人「ぐっ! や、やめっ、……! かは、ぁっ、や、めろ!」
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