過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
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184: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:13:46.49 ID:BKn3hKU/0

彩人「は」

 彩人は笑った。口をぽかんと開けて、馬鹿みたいな顔をして、笑っていた。
 私は知っている。人間、どうしようもなくなると、どうしていいかわからなくなると、笑うしかないんだってことを。
以下略



185: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:15:04.88 ID:BKn3hKU/0

彩人「今日は……」

 そこで彩人はようやく気が付いたらしかった。
 周囲が真っ暗であることに。
以下略



186: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:16:18.74 ID:BKn3hKU/0
 いや――蓋を開けてみればもっと根本的なことを勘違いしていたようだけれど。

 そもそも彩人の能力は「私たちを不幸にする」ことではない。その逆だ。
 彩人の能力は「彼女を幸福にする」こと。
 ゆえに、相対的に私たちに不幸が訪れる。
以下略



187: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:17:02.73 ID:BKn3hKU/0

 手を彩人の首にかける。忘我の彼女はそこでようやく状況を理解し、全力で振りほどこうとしてくるが、まったく非力だ。それ以前に彩人が遮二無二になっている状況がなんだか滑稽にすら思えてくる。

彩人「ぐっ! や、やめっ、……! かは、ぁっ、や、めろ!」

以下略



188: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:17:54.14 ID:BKn3hKU/0

 時間を戻すのはもうやめた。有り金はたいて時間を戻したところでたかが知れている。出血死は免れない。
 死への恐怖は不思議となかった。ただ、つまらない人生だなと思って、つまらない人生過ぎたなと思って、残念で、残念、で何より悔しくて。
 悔しくて、悔しくて。

以下略



189: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:21:47.43 ID:BKn3hKU/0
投下終了です。
次回投下で物語終了、次々回でエピローグを予定してます。
残り二人。最後までお付き合いください。

あと、wikiに「悪即斬」と「弱肉強食」のビジュアルを追加しました。


190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/04/22(火) 17:17:26.04 ID:f6rB1U7oo

最後は悪即斬と弱肉強食の一騎打ちか


191: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/23(水) 12:03:01.28 ID:VukTWdSA0
――――――――――――――――――――――――――

 木刀を構えなおす間に「弱肉強食」は復活を果たしている。上半身と下半身が分離した状況からの復活だなんて、まるで人間離れしている所業だ。
 何度も見たから驚かないけれど、この非人を相手にするのだと思えば、心の肩が凝ってしょうがない。

以下略



192: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/23(水) 12:03:31.08 ID:VukTWdSA0

金髪「喰わねば餓えると盗んだ老婆は」

詰襟「殺す」

以下略



193: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/23(水) 12:03:59.56 ID:VukTWdSA0

 相性の有利不利もあった。先ほどの近親相姦カップルとは逆に、今度は俺の相性が悪い。
 「悪即斬」は能力を斬る。刃だろうが、盾だろうが、問答無用。しかし金髪の超回復は能力でこそあれど、俺が斬れるタイプの能力ではない。超回復は過程だ。結果ではない。そして俺の木刀は過程を斬れない。

 だが、勝ちへの道筋はいくらも残されている。
以下略



194: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/23(水) 12:04:29.85 ID:VukTWdSA0

 脇腹を蹴られて強か吹き飛ぶ。体勢よりもまずは視界。金髪の位置の確保に努めなければ。
 いや、その手間はいらなかった。
 体勢を崩した俺へと金髪が視界いっぱいに躍り掛かってきていたから。

以下略



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