過去ログ - ことり「雉も鳴かずば撃たれまい」
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41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/05/04(日) 06:09:31.67 ID:yZX4SREN0
「そんな……穂乃果!」
穂乃果に遅れて海未が廊下に到着したちょうどその時、穂乃果は果て、希の手から床に落ちた。
世の中には知らない方がいいこともあると、皮肉にも海未は「それ」を前にして知るのだった。
海未の鍛え上げられた動体視力は、希の手の動きを正確に読み取らせてしまった。
リミッターの外れた人間の脅威を。
実に0.01秒に一揉。
そんなもので胸を触られたら。
海未の背筋を嫌な汗が降りていった。
悪ふざけこそすれど、希は基本的には温和な少女だった。
希を前にすると、自然と張りつめていた気がほぐれる、そんな少女だった。
「コフ―――……コフ―――……」
しかし今、目の前にいるこの獣は違う。
心臓を鷲掴みにされているような恐怖が海未を包んでいた。
剣道の達人と相対した時でも、ここまでの重圧は感じなかった。
海未は初めて、一瞬でも気を抜くことができない命のやり取りの空気を知った。
どうすれば。
どうすればいいの。
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