過去ログ - 私にはだれにも言えない秘密があります。
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◆XTaiiNXKpw
[sage saga]
2014/05/08(木) 01:07:29.56 ID:5ztHGExv0
少年には正しいか誤っているのか、完全に見極める能力があった。この能力を手に入れたのは大学に入って間もないことだった。国公立の芸大に入学した数ヶ月後のこと。
YesかNoかで答えることのできる問いに対しては100%答えがわかってしまう。これだけなら便利な道具程度にしか思わないだろうが、これはそういう浅さのものではなかった。人格、道徳。人ですら誤っているか正しいかわかるのだ。
ぼんやりとその人にかかる靄の色で判別できてしまう。これに気づいたのは少年が能力を手に入れて三日後のこと。ニュースで殺人者の顔を見た時、黒い靄がかかったのが原因である。
以下略
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◆XTaiiNXKpw
[sage saga]
2014/05/08(木) 01:09:08.56 ID:5ztHGExv0
こういう経験から少年はいくつかのことを理解した。
1:なにかは人が絶滅してもいいくらいには失望している。だけど、人全体の改心を望んでもいる。
2:そのため、人の自滅行為に対しては寛容。ただし命を奪う行為は許さない。
3:この判断は実時間で行われる。つまり、過去に許されない行為を行っても改心さえすれば靄は消える。
以下略
4
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◆XTaiiNXKpw
[sage saga]
2014/05/08(木) 01:11:04.83 ID:5ztHGExv0
形としては高校の美術教師のサポートという名目のアルバイト。ただ、少年の毎日の仕事はほとんどなく美術室の準備室に200号のキャンパスを置かれ「とりあえず、描いてみようか」そう美術教師に言われた。
少年は去年の十月、あの時から一度も筆を取っていない。どの色をどこに置くかを常に自分に問い続けてきた少年にとってそれの答えがわかってしまうことは、究極的な終了で、芸術は自分自身と同じくらいに無関心なものとなった。
その結果、少年は校舎の三階のベランダから隣接した体育館の屋上で人を見ないよう空を見続ける日々を送っていた。
以下略
5
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2014/05/08(木) 01:14:15.65 ID:gUQ4KT+a0
イタズラにしては酷いなオイ…
6
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◆XTaiiNXKpw
[sage saga]
2014/05/08(木) 01:26:13.96 ID:5ztHGExv0
「せんぱーい、これわかんないですー」
少年の隣、宿題とにらめっこしていた少女は少年と同じように寝転ぶ。
以下略
7
:
◆XTaiiNXKpw
[sage saga]
2014/05/08(木) 01:50:34.80 ID:5ztHGExv0
予鈴が聞こえる。昼休みが終わる合図だった。
「じゃあせんぱい。またお話ししましょう」
以下略
8
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2014/05/08(木) 03:13:48.83 ID:PofqdKGW0
興味深い
9
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2014/05/08(木) 19:24:08.07 ID:5uoD5Vn20
乙
10
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2014/05/08(木) 20:07:43.15 ID:YeIKJyjEo
いいな
11
:
◆XTaiiNXKpw
[saga]
2014/05/10(土) 09:32:15.36 ID:8FZR/Zfs0
歯車はいつの間にか少しずつズレていって。よくそんな言葉を物語の中で見かけるものです。ただそれは私にとって言い得て妙な表現でした。
性癖。歪んだ性癖。というより、歪みきった癖なのでしょうか。
はじめは本当に何気ない行為でした。子供ながらの純粋さがイコールで残酷さや知識欲と結びついていた頃のことです。
以下略
12
:
◆XTaiiNXKpw
[saga]
2014/05/11(日) 04:26:46.49 ID:jq/hRC5M0
変化というものは少年にとって、どんなものでも好感の持てるものであり続けた。イメージはリオトマト。暑く、苦い夏の始まりだった。
この頃から少年は再び筆を執るようになる。六月から感じていた少年の違和感は数週間経つ頃には明確になった。最初に描く方針さえ見失わなければ最後まで描くことができた。
そうやって少しずつ取り戻していく勘と技術は新しいものを求め、少年はそれに応えたかった。
以下略
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