過去ログ - 傭兵「この世で金が一番大事」僧侶「じゃありません」
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2: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 21:53:19.61 ID:sWnNovzn0

僧侶「ただの護衛ですよ!?」

傭兵「『ただの』とあんたが思うなら、俺以外を雇うといい。こなしてくれるだろうさ」

以下略



3: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 21:55:01.73 ID:sWnNovzn0

傭兵「どうした、貧乏人。払えないか」

僧侶「……はい」

以下略



4: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 21:55:47.97 ID:sWnNovzn0

 大陸を東西に横断し、人間の居住地域を南北に分断する大森林。そこが通れないとなれば、交易にも、派兵にも、大きな影響が出ます。というか、事実出ているのです。
 小麦は北部からの輸入ですから、当然パンの値段は高騰します。市場に流れる魚の種類も大きく減りました。隣国がこの機に乗じて攻め込んでこないとも限りませんが、兵力の投入だって難しい状態。

 名うての冒険者はそれでも大森林に足を踏み入れますが、良い噂はあまり聞きません。
以下略



5: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 21:56:33.87 ID:sWnNovzn0

 ついに傭兵さんはわたしからエールへと視線をずらしました。それを一気にごくごくと呷れば、あっという間にエールは空になってしまいます。そして、おかわり。
 店員さんが新しいジョッキを持ってくるや否や、傭兵さんはそれに口をつけ始めました。

僧侶「お金はなんとかして必ず用意します! だから……」
以下略



6: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 21:57:43.46 ID:sWnNovzn0

僧侶「とりあえず、これがわたしの手持ち全てです。これを手付金として渡します。ですから、三日。三日だけいてください。その間に残りの四百万、稼ぎます」

傭兵「どうやって。カジノか? 悪いが博才にあふれているようには見えないな」

以下略



7: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 21:58:42.17 ID:sWnNovzn0

傭兵「正気とは思えんな」

僧侶「並行して周囲の魔物も狩っていきます。斡旋所で手配書も見ました。近くにオークの棲家がありますね。少しは足しになるでしょう」

以下略



8: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 21:59:56.99 ID:sWnNovzn0

 と、そのとき、背後からずんぐりむっくりとした熊のような男性が向かってくるのがわかりました。足取りこそ荒っぽいですが、その指には豪華な宝石のリングがいくつも嵌められています。さぞかし成金なのでしょう。

熊男「おい、お嬢ちゃん。今の話、本当かい」

以下略



9: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:00:45.54 ID:sWnNovzn0

騎士「僕は単なる騎士だよ。ちょっとばかりおせっかい焼きの、ね」

傭兵「おせっかい焼きなのはわかる。で、なんだ。あんたがこのちんちくりんを買ってくれるのか」

以下略



10: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:01:57.93 ID:sWnNovzn0

 わかります。こういう、困っている人を見過ごせないおせっかいな人はどこにだっているものです。

 僧侶と言う職業上、わたしだってよく施しを行いますが、ここまで見境なしじゃあありません。ありがたくはあるのですが、余計に事態を混乱させているだけのような気もします。

以下略



11: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:02:59.05 ID:sWnNovzn0
※ ※ ※

騎士「ばかな……有り得ない……」

 がっくりと肩を落とし、地面にひざまずいた自意識肥大ナルシーおぼっちゃんは、俺に負けたことが依然信じられないようだった。愚か者め。
以下略



12: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:04:49.46 ID:sWnNovzn0

傭兵「おい」

騎士「話が違う、かい?」

以下略



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